原油価格上昇続く!中小企業庁が中小企業・小規模事業者向け資金繰り支援策・下請保護要請開始!

ニュースでも度々報じられているとおり、原油・ガソリン価格の急騰が毎週のように続いています。

現有・ガソリン価格の急騰は、運送業・自動車関連業・建設業・製造業・農林漁業など、様々な業態にダメージを与えます。また、ガソリン価格急騰による、消費者の移動控え、買い控えなども想定されます。

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中小企業庁の、原油高の影響を受けた中小企業・小規模事業者に対する資金繰り支援策・下請保護要請の内容

この状況下で、中小企業庁は、原油高の影響を受けた企業に対する支援や下請保護の要請を始めました。

原油高の影響にかかる特別相談窓口の設置

  • 日本政策金融公庫
  • 沖縄振興開発金融公庫
  • 商工組合中央金庫
  • 都道府県の信用保証協会
  • 区市等の商工会議所
  • 都道府県商工会連合会
  • 都道府県中小企業団体中央会及びよろず支援拠点
  • 全国商店街振興組合連合会
  • 中小企業基盤整備機構各地域本部
  • 各地方経済産業局

以上の組織に対し、「原油価格上昇に関する特別相談窓口」が11/2に設置、原油価格上昇の影響により資金繰りに困難を来している中小企業者に対する資金繰りや経営に関する相談の受け付けを開始しました。(相談窓口リスト

原油高の影響を受けた企業に、セーフティネット貸付を受けやすく

日本政策金融公庫等が実施するセーフティネット貸付の要件が緩和、支援対象を「原油高等により今後の影響が懸念される事業者」にまで拡大されることになりました。

日本公庫は、原油価格上昇に関する相談窓口を作り、また中小企業や個人事業向けに、下記の条件で融資を開始しました。

対象は下記の通りです。

対象者:社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化をきたしているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる中小企業・小規模事業者
対象要件:最近3ヶ月の売上高が前年同期または前々年同期に比べて5%減少
→ 「特別相談窓口」を設置した場合、数値要件を満たさずとも、資金繰りに著しい支障をきたしている又はきたすおそれがあれば、対象とする。

貸付利率:基準利率(中小企業事業1.06%、国民生活事業1.81%) <令和3年11月1日現在>
(※)貸付期間5年以内の標準的利率、実際の適用利率は担保の有無や信用リスク等により異なる

具体的な融資メニューは下記の通りです。

中小企業・小規模事業者向け

国民生活事業中小企業事業

長期資金のみが対象

適用できる制度経営環境変化対応資金経営環境変化対応資金
融資限度額4,800万円7億2,000万円
融資期間(うち据置期間)設備資金 15年以内(3年以内)
運転資金 8年以内(3年以内)

農林漁業者向け

適用できる制度農林漁業セーフティネット資金
融資限度額(一般)600万円
(特認)年間経営費等の6/12以内(※)
融資期間(うち据置期間)10年以内(3年以内)

(※)簿記記帳を行っている方に限り、経営規模等から融資限度額の引き上げが必要と認められる場合に適用

相談は、日本公庫全国の支店や、日本公庫の事業資金相談ダイヤル 0120-14-505 (行こうよ公庫)で受け付けています。

原油上昇下で、下請事業者に対する配慮要請

関係事業者団体約1,400団体に対して、原材料・エネルギーコスト増加分の適正な価格転嫁等を要請する経済産業大臣名の文書が発出されました。

また、親事業者による一方的な価格設定などの買いたたきや減額など違反行為が認められた場合は、下請代金支払遅延等防止法に基づき、公正取引委員会が厳正に対処するとあります。

罰則は最大罰金50万円にとどまるものの、会社の大きなイメージダウンに繋がります。

要請文の具体的内容を整理します。

  • 現在、原油価格がおよそ7年振りの水準まで値上がりしており、最近の円安の進展も相まって、原油をはじめとするエネルギーコストや原材料価格の上昇によって、とりわけ中小企業・小規模事業者の収益が強く圧迫されることが懸念
  • 下請中小企業者と親事業者との取引対価の決定方法:材料費、市価の動向等の要素を考慮した合理的な算定方法に基づき、下請中小企業の適正な利益を含み、下請事業者及び親事業者が協議して決定するものとされている
  • 親事業者による一方的な価格設定などの買いたたきや減額などは、下請代金支払遅延等防止法においては、禁止行為として規定
  • 1,400の事業者団体に、「下請事業者から価格交渉の申出があった場合には積極的に応じる」「取引対価は原材料価格・エネルギーコストの上昇分を考慮した上で、十分に協議し決
    定する」など、方法と単価の両面において適切な価格決定がなされるよう、会員企業に対して周知要請
  • 一方的な価格設定などの買いたたきや減額など、下請代金法による違法行為が認められた場合には、公正取引委員会とも連携しつつ、厳正に対処

以上の通り、下請事業者に配慮を行うよう要請が行われています。

今後の原油高がどこまで続くかは不明確ですが、冬場の時期に向け、元請・下請とも準備を進めていくことが要されます。

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