紙の手形を26年に廃止、電子債権への移行や銀行振込への移行を推進

先日の記事( 約束手形が廃止の方向へ!?為替手形も支払いサイトを60日へ、中小企業等の活力向上に関するワーキンググループ議事にみる、今後の方向性 )でも取り上げた、紙ベースの手形が廃止されるという話ですが、2026年を目処に廃止、電子債権(でんさい)への切り替えや通常の電子振込への移行を促すという取り組みが具体的に進むこととなりました。(参考:日本経済新聞2月18日朝刊・でんさいネット

 

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紙の手形、なぜ廃止?

以下の理由があります。

  • 海外では支払い手段に手形を使わない(上に、日本に比べ諸外国は数十日短い)
  • 特に手形を受け取る中小企業などで、支払いが遅くなり、中小企業の資金繰りに支障を来すことがあった
  • 明治からの商慣習で、時代にそぐわない上に、中小企業にとって不利であるという批判が大きかった
  • メガバンクの場合、他行当ての金融機関への送金手数料が800円前後で、紙の手形の方が支払う側に取っては安価だった

そのため、時代に即した制度に改正し、手形自体を廃止の方向に持っていきたい、しかしいきなり全ての手形を廃止すると、現行の商慣習で動いている企業に大きく影響を与えるおそれがあるので、まずは変わりの電子債権(でんさいネット)に切り替え、その後振込・カードなどに切り替えさせていき、中小企業(特に下請け)の資金繰りを改善したいという経済産業省側の意思が見受けられます。

 

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今後、紙の手形廃止に向けて起こされるアクションは?

今後、紙の手形廃止→電子債権への移行を促すために、以下のアクションが起こされます。

  • 経産省が手形の廃止に向けた報告書案を示す
  • 大手に対してから手形の利用廃止・電子債権への移行を促す
  • 業界ごとに5年間のアクションプラン策定を求める(特に建設・製造業・卸売り・小売等の業種は踏み込んだプランが求められそうです)
  • 今後は銀行振込が主体となるよう推進すると共に、商慣習上「いきなり手形の廃止は無理・・」という企業には、電子記録債権(電子手形)を利用するよう推奨
  • 電子債権取引を担うでんさいネットの改善、決済期限を最短7曜日→22年度中に3営業日に活用できるシステムへ
  • でんさいネットの手数料を安価に。現金還元や、決済期限を最短7営業日→3営業日にできるようシステムを改修
  • 手形の期限を24年を目処に最長120日から60日以内に短縮

 

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現在の手形の課題と現状

現在の手形の課題・現状としては、下記の点があります。

  • 手形支払い残高は25兆円と、やはり相当な額の利用がある(ただし、でんさいネットの記載では、2019年では電子債権の割合が21兆7770億と、大部分が電子債権に切り替わっている)
  • 金融機関に取っては紙の手形を管理する物理的な負担が大きい
  • 経済産業省は、支払いを現金(振込)・クレカなどに移行したいという意図が見られるが、現在全て現金払いとしている企業は5割で、今でも手形を利用している企業は少なくない
  • 特に約束手形は、受注企業の側に取って、商品を納入してから代金を受け取るまでのタイムラグが大きく、資金繰りが苦しくなり、早期現金化しようとすると、手形割引や手形の買取などで手数料がかかる

 

以上、手形取引は歴史のある商慣習ですが、現代においては課題も多く出つつあります。

 

やはり、手形取引というのは下請(中小企業)に取って負担となったり、手形が振り出されず損害・・という事例も過去に複数でているので、伝統的な中小企業の負担を減らすためにも、手形取引のあり方を見直すというのは重要な動きと言えます。

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