マイナンバーカードを利用したオンラインで法人設立手続ができる会社設立サービスが2月26日バージョンアップ!オンラインでできない部分など注意点も

以前マイナポータルで法人設立の手続の一部ができるようになったことを書きました。

その際は、法人設立そのものはできず、法人設立後の手続ができないなど、まだ進化の余地があるシステムでしたが、今回は、下記の通り進化しました。(ただし、後ほど述べますが課題もあります)

  • 会社設立に必要な手続(定款認証・設立登記申請)という、一番大切な手続がマイナポータルでまとめてできるように

これまでは会社設立を行おうとすると、専門家に依頼する場合は別として、

  • 「公証人役場(株式会社の場合。合同会社の場合は不要)」
  • 「法務局(一応郵送も可、オンラインも可となっているが、オンライン申請システムは、司法書士のような専門家でないとわかりにくくて使いにくい)」

の2カ所に行き、手続を行うことが必要でした。

 

しかし、2021年2月26日からは、会社設立のあらゆる手続がオンラインの、マイナポータルの法人設立ワンストップサービスで一気にできるようになりました。

ただ、システムを実際に見てみると、普通の人が自分で行うのは難しくないかな・・・、と思う点もありました。

 

当記事では、システムを実際に見て感じた、「普通の人でも本当にひとりで簡単に会社設立にができるのか?」という点をメインに、法人設立ワンストップサービスを見ていきます。

 

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法人設立ワンストップサービスを見て感じた雑感と課題

新聞・Webニュースなどでは、会社設立がマイナポータルから全てできるようになったというトーンで書かれている記事が非常に多いです。

 

しかし、よく見てみると、株式会社を設立する際の定款認証に関しては、マイナポータル上だけではできない部分があります。それが、「公証人による定款の認証」です。(繰り返しになりますが、合同会社・合資会社・合名会社などの持分会社では、公証人による定款認証は不要です)

 

定款認証の嘱託のための事前準備の項目で

・定款につき公証人との事前打ち合わせ(定款認証に係る必要書類の確認等)
・定款認証の嘱託の際に必要となる面談予約

については、公証人役場での打ち合わせ・嘱託の際の面談が必要になるとあります。

 

ただ、公証人との打ち合わせや面談は、「テレビ電話でも可能」となっています。(公証人連合会のHP)

 

ただし、テレビ電話を利用する上では、下記の条件に当てはまることが必要です。

 

ア 発起人等が定款に電子署名し、自らがオンラインで認証申請する場合(この場合は発起人等が認証の嘱託人となります)
イ 発起人等が代理人に定款作成を委任し、定款作成代理人が定款に電子署名してオンラインで認証申請する場合(この場合は定款作成代理人が認証の嘱託人となります)
上記イの方法による場合、発起人等が代理人に定款作成を委任する方式は、Q1でも説明したとおり、電磁的記録である委任状に電子署名する方式でも可能ですし、紙の委任状に印鑑登録証明書の印を押捺する方式でも可能です。

 

このようになっており、会社を設立する人が自分で定款に電子署名をするか、専門家に依頼する必要があります。(定款の電子署名付与に関しては、行政書士が電子署名付与を行うサービスがあったり、freeeなどの会計サービスで、5,000円の費用で司法書士が定款認証を行ってくれます。)

 

また、株式会社・合同会社を問わず、資本金を振り込むプロセスに関しては、出資を行う人(自分他の出資者)に行ってもらう必要があります。

 

上記の2点だけは法人設立ワンストップサービスの外で行う必要がありますが、それ以外はワンストップサービスの中で行うことができる仕組みになっています。

 

ただ、以前の記事の「マイナンバーを活用した、ワンストップ法人設立サービスサイトの課題」でも述べましたが、「仕組み上はマイナポータル上からでもできるけれども、実際はややこしく、結局は専門家に依頼した方がベター(もしくは、freeeなど基本的な書類を作成してくれるサービスを利用)」という点は現状でも残っていると言えます。

 

例えば、法人設立関連手続かんたん問診というサービスは、2番目の質問で、

 

定款は作成済みですか?

という質問があります。

これに「いいえ」と答えると、

マイナンバー 会社設立

 

 

 

 

 

 

 

 

定款を作成してください。

とだけ書かれ、定款作成方法のリンクもないシンプルなメッセージが出現します。

 

この時点で、会社設立の経験がない普通の人は、「定款ってなに?」からはじまり、いろいろ混乱するでしょう。

 

このように、書類の作成の知識があればともかく、普通の人の場合は、一から調べるなり、専門家に依頼することとなります。

 

このように、手続自体はオンラインでできる部分がかなり増えたものの、会社設立の手続自体は以前と変わっていません。

 

そのため、会社設立に必要な各種書類を作成する上では、自身で調べる、freeeなどの会社設立書類作成支援Webサービスを利用するなどが必要となりますし、資本金を手厚くするために現物(自動車・パソコンなど)出資を行ったり、ひな形では対応できない形態の手法を行う場合は、これまで通り専門家の支援が必要になってくる可能性が高いと想定できます。

 

以上を踏まえ、現在のマイナポータルの会社設立サービスだけで、会社設立にかかる全てを行うのは、一般の方には難しいかもしれません。

 

しかし今後、Webサービスや税理士・司法書士・行政書士の側などが「マイナポータル対応の書類作成サポートサービス」を作ってくることは想定できます。

 

結論として、現状での法人設立ワンストップサービスは、専門家や、会社設立に関して知識のある人、調べる労力を割ける人なら活用できるが、「ちょっと不安が・・・」という方は、これまで通り専門家に依頼するのが無難と言えます。

 

ただ今後、民間のWebサービスとマイナポータルの会社設立ワンストップサービスの融合が進むと、これまでより会社設立の敷居は下がっていくでしょう。

 

今後、官民双方がリンクした、会社設立をよりスムースにする仕組み作り、また税理士・司法書士・行政書士など会社設立に関わる専門家の対応が望まれると言えます。

 

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