起業にせよ、一般的なスモールビジネスにせよ、PDCAを高速で回せ!とか、起業の出口を考えろ、などということは良く言われるかと思います。
また、事業を継続し、目の前のタスクに取り組むことも、当然重要です。
出口を考えた上で起業するのは、難しい
事業を行う上で、理想論としては、起業したあと、
- 上場させる
- 一生の仕事として堅実にやって行く
- 非上場である程度の規模を狙う
- 他社への事業売却を狙う
- ある程度成長させ、スタッフに継承させる
など、いろいろ「起業の出口」を考えることができると望ましいといえます。
ただ、正直なところとして、「起業の出口」を考えた上で起業しても、まず「どういう出口を定めるか?」というところで多くの人が悩むのではないかと思います。
また、実際に事業を続けていくと、当初考えていた計画やゴールとは異なった方向に事業が運ぶことも様々あるかと思います。
事業が予想以上に当たったり、逆に事業のピボットを迫られる状況になったり、あるいは突然企業やブランド買収、サイト買収などの話が飛び込んできたりと。
起業するときの出口は仮決めでいい、それよりまずはユーザーの役に立つ方法と、毎月の日銭を稼ぐ方法を考える
起業するときや個人事業を始めるとき、あらゆることをかっちり定めて起業しようとすると、なかなか決められなくて、時間ばかりが過ぎていくのではないかと思います。
それよりも、まずは「受託・物販などでも日銭の入る事業」のあてをつけて、まず毎月最低限の生活費を確保する(資金がなくなると、どんな人間でも正常な判断が難しくなる恐れ)という、現実面をクリアした上で、「受託事業で実績を挙げる(日銭だけでなく、信用構築も含め)」「ユーザーの役に立つ自社サービス・プロダクトも並行して進める」など、
- まず最低限の売上・利益の確保、信用・実績構築(VCなどが入り、資金面で手厚い場合は、寺社プロダクトに専念)
- 足下ができてから、同時に自社ならではのサービス・プロダクトを構築
- 事業を進めていく中で、徐々に会社の出口として複数のプランを考える
など、まずは今の事業にフルコミットすることで、他の部分でも見えてくることがあるかと思います。
個人的には、新しいステージに進めるなら、事業売却や買収も一つの選択肢に
最近は、事業売却前提で事業を立ち上げる人もおられるとWebで散見されます。
個人的にはその考えも非常に合理的と感じます。
特に、外部資本の調達なしで、自己資金だけや少額の借入だけのビジネスであれば、0→1を作り、そこから1→10に育ててくれそうな企業の傘下で、というのは非常にありだと思います。
(もちろん、売却時には適切な仲介事業者の仲介、自社で依頼した弁護士による、契約書他様々な点でのリーガル対策、税理士など専門家への相談は不可欠です。)
また、自社の事業が、コンプライアンス面で適切かもチェックし、相手先につまびらかに状況を開示することは大切です。以前の買収案件では、事業で当時の薬事法違反(輸入化粧品のラベル不備)があり、売却後詐欺で買収先から訴訟され、代表取締役が実刑判決を受けた事例も存在します。
とはいえ、きちんと諸問題をクリアしている状況であれば、やはり大きな企業の元で、事業のグロースに長けた優秀な人材に事業を伸ばしてもらえるというのは大きいです。
ただ、ある程度の規模に拡大している場合、社員の数も増えていると思いますので、社員など関係者の意志を尊重することも、一方で重要と言えます。
事業を立ち上げ、回し、成長させていくサイクルでいろいろな景色が見えてくるかと思います。
コンプライアンスを遵守した上で、事業の成長、成長に応じた今後の戦略(出口を含め)を継続的に考えて行くことは、改めて重要と言えましょう。