ベンチャーが知っておくべき「グレーゾーン解消制度」と新事業特例制度

今回は、ローカルビジネスだけでなく、ベンチャービジネスに取りかかる経営者や役員(+総務)の方に是非知っておきたい「グレーゾーン解消制度」「新事業特例制度」について紹介します。

 

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グレーゾーン解消制度・新事業特例制度とは?

グレーゾーン解消制度」は、新規分野のビジネスに関し、既存の許認可の制度上で、許可・認可・届出などを行う必要があるか(法規制があるか)、もしくは不要か、また規制対象となるか、ならないかを規制当局が確認、回答してくれる制度です。

 

新事業特例制度」は、本来は規制があるけれども、新事業活動を行おうとする事業者による規制の特例措置の提案を受けて、「安全性等の確保」「企業単位」ということを条件とした上で、規制の特例措置の適用を認める制度です。

 

両制度は、法務担当者であれば多くの人が存在を認知しているかと思いますが、実際にグレーゾーン解消制度にかかる相談・回答が行われた事例は、まださほど多くありません。各省庁で、グレーゾーン解消制度の照会に回する回答を行っていますが、各省庁の回答を見てみると、興味深い物があります。(詳しくは後ほど説明します)

 

「グレーゾーン解消制度」に基づき、「このような新規事業を考えているが、問題はないか」という点を、規制当局が判断してくれるので、新規事業を形にしていくフェーズで、「省庁の規制に抵触しないかな・・・」という部分も、当局の判断で問題ないというお墨付きを得れば、新規事業の具体化もよりスムースに、自信を持って進めていくことができるでしょう。

 

また、グレーゾーン解消制度については、原則として事業者の許可が得られた案件のみをウェブサイトで公表しているため、公に公表されている以外にも、グレーゾーン解消制度への申立案件は少なからずあると推測されます。

 

そして、新事業特例制度は、新しい事業を行う事業者に対し、「規制しているからこれはダメだよ」ではなく、新しいことを行う上で規制がネックになっていますね、では企業単位で、規制の特例措置を設けることにより、「新しいことを禁止するのではなく、できるようにしていきましょうよ」という制度です。

 

それでは、各省庁の事例を見てみましょう。

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グレーゾーン解消制度・新事業特例制度の具体例

各省庁で、グレーゾーン解消制度・新事業特例制度に基づく相談と回答例が掲載されていますが、確認から掲載までは概ね1ヶ月かそれ以上かかると考えておいた方が良いでしょう。

 

注意すべきは、どの省庁も、

本回答は、確認を求める対象となる法令(条項)を所管する立場から、照会者から提示され
前記事実のみを前提として、現時点における見解を示したものであり、もとより、捜査機関
の判断や罰則の適用を含めた司法判断を拘束するものではありません。

としており、あくまで自分の所の省庁としての見解は示すけれども、あくまでこれはうちの見解であり、警察・司法の判断に関して拘束するわけではないですよ、という但し書きをつけています。

 

この点は、一応留意しておいた方がいいでしょう。

 

消費者庁のグレーゾーン解消制度・新事業特例制度

 

  • 資格試験合格者から、合格体験記を買い取って良いか

という照会があり、これに対し、

「仕事の報酬等と認められる金品の提供」に該当し、「景品類の提供に当たらない」ものと考えられることから、原則として、景品表示法上の景品類の規制対象とならないものと考えられる。

ため、問題はないという見解を示しています。

 

厚生労働省のグレーゾーン解消制度・新事業特例制度

厚生労働省のグレーゾーン解消制度・新事業特例制度では、

  • 終活支援サービスの提供について

という項目で、死後に必要となる手続きに関し、社会保険労務士に取り次ぐことに関して、提示された条件であれば、法に抵触しないという厚生労働省の見解を示したり、

  • インターネット通販を活用したマウスピース等製作事業

に関し、

御照会の事業は、歯科医師法第17条に規定する歯科医業に該当する。なお、御照
会の事業を歯科医師が行った場合、無診察治療に該当し、歯科医師法第20条に抵触する。

と、問題のある事業に関しては、抵触するということを明示しています。

 

経済産業省のグレーゾーン解消制度

経済産業省のグレーゾーン解消制度は、非常に種類が多く、こんなにいろいろなビジネスアイデアがあるのか、というくらい、見ていて面白いです。(個人差あり)

OK/NG問わず事例を挙げると、

  • コンビニを活用したスマートチェックイン民泊サービス
  • 全自動洗濯物折り畳み機の製造・販売(平成29年のもので、これを実用化しようとしていた会社は・・・)
  • オークション形式での不動産の売主と買主のマッチング
  • 美容師免許未取得者によるまつ毛エクステンション施術(さすがにこれは美容師免許が必要でNG)
  • 建物滅失登記申請補助サービス
  • オンラインクレーンゲームのサービス提供(CMやってますね)
  • 災害用備蓄用長期保存缶容器入り乳飲料の生産と販売
  • 薬局における営業時間外の薬局の受け渡しサービス
  • 利用者が本店移転登記手続に必要な書類を生成できるWEBサイトを通じたサービス等の提供について
  • 給与前払いサービス

などなど、「様々な意味で、規制の上でグレー(道義的に、じゃないですよ!)」な事項に関し、前向きな方向で考え、必要な場合には他省庁とも連携し、グレーな部分に「白黒」をつけてくれます。

 

新規事業を行う上で、法規制という問題は避けて通れない物です。

 

もし、「これは大丈夫か・・・とか、規制の面では厳しいかもしれないが、なんとかできないか」という所があれば、グレーゾーン解消制度・新事業特例制度を検討し、前向きに進めることを考えてみると良いでしょう。

 

 

 

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