1月10日のプレスリリースで、レッドブルが、価格の変更(引き下げ)を行うことを発表しました。
レッドブル・エナジードリンク 250ml | 241円 | 190円 |
レッドブル・シュガーフリー 250ml | 241円 | 190円 |
レッドブル・エナジードリンク 330ml | 268円 | 235円 |
レッドブル・エナジードリンク 355ml | 292円 | 245円 |
レッドブル・エナジードリンク 330ml アルミボトル | 296円 | 245円 |
現在、一部コンビニでは、250mlのレッドブルを試験的に200円に近いプライスで売る試みが行われており、この反応の良さもあり、レッドブルは値下げに踏み切ったと推測しています。
エナジードリンクマーケットは、当初はレッドブル一強でした。
街頭でのサンプリングやCMの投下、飲食店での「レッドブル割り」の提供、エアレースなどのイベント実施や協賛など、様々な形で、「地上戦」を展開し、また価格も250ml250円と、通常のドリンクより高めに設定することにより、「仕事や遊びで気分を上げたい時に飲むドリンク」というポジションを確立しました。
そこへギーク・ゲーマーの常備品・Monster Energy日本上陸
2005年にレッドブルが日本上陸、2000年代後半・2010年代前半は、レッドブルが「エナジードリンク」として唯一無二のポジションを確立していました。
そこに、2012年、モンスターエナジーが上陸。
スタイリッシュで独自性のあるレッドブルに対し、ゲーマー・プログラマー・ギーク・ハッカーなどなどが好きそうなパッケージと宣伝で、じわじわとレッドブル対モンスターエナジーという二強対立が進み、現在はコンビニエンスストアの棚を見ると、モンスターエナジーの棚割の方が多いケースをよく見ます。
実際、日経クロストレンドの記事を見ると、
- 現在のように外出ができなくなる前に、都市部繁華街で若者に対しサンプリングを行う、しかも365日
- テレビCMなどマス広告は打たない
という特徴が見受けられるとともに、講談社の運営する現代メディアでは、
- モンスターエナジーの売上がレッドブルを上回る
- (レッドブルが250ml250円という、エナジードリンクの相場観を築いた所へ)355ml、200円という、普通のドリンクとしたら高いが、エナジードリンクとしては安いという絶妙な価格
- モンスターエナジーのフレーバーの多様性
などの特徴を挙げています。
モンスターエナジーの日本上陸時は、「強烈なエナジードリンクが来たな」という印象でした。
355ml、200円という、レッドブルに比べ安価で大容量、また味もレッドブルのケミカルテイストを更に強めて、色も独特、「PC仕事や屋外作業、ネトゲ、勉強のお供に」という印象を与えるものでした。
さらに200円・500mlのZONEが殴り込み
レッドブル・モンスターエナジー二強の状態が続く2020年に、大容量・安価のエナジードリンク、ZONEが登場。デジタルネイティブに刺さる印象のパッケージ、e-カルチャーに全振りした広告宣伝「ゾーン(集中状態)に入れそうな印象」も相まって、コンビニの棚で増え始めています。
エナジードリンクのキャッチフレーズ
加えて、モンスターエナジーのキャッチフレーズの「Unleash the Beast!(野生を解き放て)」と、レッドブルのキャッチフレーズの「(Red Bull gives you wings)翼をさずける」では、かなり印象が異なります。
どちらが良いというのではなく、ワイルドな印象か、スタイリッシュな印象か、というところですね。
レッドブル・モンスターエナジー両陣営とも、イベントやE-スポーツへの協賛へは特に力を入れていますが、現在のインドアの流れも相まって、大容量のモンスターエナジーに勢いがつき、レッドブルは対抗策として、全体的な値下げを図ってきたような印象があります。
レッドブルは、「外」「イベント」での様々な施策で、特別感を与えるブランディングを行ってきましたが、ここ1年の社会状況で、「地上戦」を展開するのは難しい状態です。
今後、レッドブル陣営が値下げをすることで、シェアの変化がどれくらい出てくるかはわかりませんが、今後のエナジードリンク業界におけるシェア争いはまだまだ激化しそうです。
出典 PR TIMES レッドブル 価格変更プレスリリース