「人は5行しか読まない」、というより読むリソースを割かないことを前提にした文書作り

最近Web上でよく見る、「人は5行しか読めない(読まない)」問題、なかなかうまく整理できませんが、思う所を。

マーケティングの世界で以前から語られる言葉で、書き手は相手が「読まない」「信じない」「行動しない」ことを前提に文章を作れ、という論が以前からあります。

この状況に加え、

  • 読書からWebコンテンツの消費にシフトしたことによる、「長い文を読む機会の減少」
  • Webコンテンツなどタイトルだけ読んでわかったようになる、作り手側の施策
  • 閲覧媒体がPCからスマホにシフトし、流し読みする習慣の定着
  • そもそもみんな忙しくスキマ時間に暇つぶしで読んだり、探し物で急ぎで読んでいたりするので、じっくり読もうなんて思っていない

など。

上記は、完全に担当者の想像ですが、Webの大衆化により、「コンテンツ(特に文字)を最後までみる人はレア」という状況が生じているのではないでしょうか。

 

そして、タイトル、導入部で誤解をさせることがないよう、タイトルと最初の5行(もしくはポイントを3点にまとめたサマリー)を、「読み違える余地のないように作らなければいけない」ということを、書き手側が自覚しなければならない。

 

皮肉や逆説的な記事を書くと、真意が伝わらない(あえてわかってぶつけるというのも一つの手法と思いますが)ことも出てくるでしょう。

また、ツイートにあった、この文言には納得。

 


こういうのは、「だからいけない」ではなく、「そういうものだ」という所与の条件として割り切る必要があるように思います。

 

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翻ってみると、取扱説明書・官公庁のPDFや文書だけの手引きなどを読める人はレア?

担当者は仕事柄、官公庁のPDFや手引きなど、「読みこなすのにエネルギーが必要な文書」というのを、さほど抵抗なく読めます。

 

ただ、普段仕事で忙しい人、専門分野に長けているけど、文章を読む人からしたら、手引きや取扱説明書等は「開いて3秒で読む気無くすわ」という人も少なくないでしょう。

 

当サイトでは、各種補助金・助成金制度などの概要を「要するにどういうメリットがあるの?条件は?」など、結論部分をシンプルにまとめてから、具体的な内容に入るケースが多いです。

 

これは、要点を整理することで、読み手側も「うちに関係あるのか、ないのか」がすぐわかり、必要があれば読む、関係なければ離脱、という判断がしやすくなるからです。

 

官公庁の文章に限らず、各種文書・規約などは、読み慣れていない人、専門外の分野であれば、たいてい「読む気がしない!」となるかと思います。

 

(そういうところをねらって、契約書や約款の、相手方にとって不利な部分は後ろの方や小さいところに書かれているわけですが・・・)

 

書き手側としても、「もう相手が文章の全体を見て理解してくれるわけではない」という前提で、異なった解釈のできない書き方などを考えて行く必要があるのではないか、と感じます。

 

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