新型コロナウイルスの影響で、都道府県の移動解禁が進みました。
自家用車の移動がメインで、外に出ることは少なかったですが、実際外に出てみた実感を書いていきます。
隣県を中心とする他県ナンバーが目立ち始めた
隣の県を中心に、他県ナンバーが目立ち始めました。
中には、少し遠いところから、観光に来た様子のナンバーもちらほらと。
また、自粛期間中はほとんど外へ出ていなかったのでわからなかったのですが、比較的以前より車を多く見つつも、やはりマスクをしている人が当方も含め大半で、それぞれが距離を取って行動しているのがうかがえました。
一方、飲食店などを外から見ると、比較的車が少ないところが多く、一方テイクアウト用のドライブスルーに行列ができているのを見ると、やはり外食はまだ抵抗感がある人が強いように感じます。
また、スーパー・モールなどは比較的車が多く置いてあり(子供が寝ていたので私は中まで入れずだったのですが)、少しずつ経済が動き始めているのだなと実感します。
しかし、今回動き始めている産業については、まだまだ一部でしかないというのは、率直な所です。
サービス業全般や交通インフラなどはその最たる物です。
休日に空港の近くの公園に寄った際は、以前は満車だった空港用駐車場は閑散とした状態。
自粛解禁後も、以前のことを考えると驚くほど駐車している車が少なく、多くの人が「公共交通機関」という密が発生しそうなイメージ(実際は、きちんと対策していると思われますが)の移動方法ではなく、自動車など外部との接触が少ない移動方法を選んでいるように感じました。
ただ、社会の空気としては、なかなか現在は遠距離の移動、ましてや旅行などはしにくいというのが率直なところではないでしょうか。
一度経済の循環という、人間における血の血流が止まることの恐ろしさ
数ヶ月にわたって続き、現在も影響が続くコロナ渦、そして新型コロナウイルス対策のために様々な経済・人の行き来が実際に国内・国外でストップしたことで、人・モノ・金の動きが止まることの恐ろしさというのを、多くの人が身をもって体験したのではないでしょうか。
実際、20年、30年、それ以上の歴史を持つ店舗、サービスが、現在のコロナ渦で事業継続を断念せざるを得なくなったり、多くの企業が資金繰りの問題に直面しています。
こうなると、キャッシュを確保する、内部留保を多く有する、堅固な体制を持った企業は耐えられる一方、経営的にもともと余裕が持ちにくかった会社は、非常に大変な局面に追い込まれます。
これまで、内部留保に対し、否定的な論調も多くありましたが、今後は、「有事の際のバッファ」、つまり内部留保がより求められ、内部留保を手厚くすることを否定して従業員に還元せよというような論調は弱まっていくと思われます。
日常が戻りつつある地方の風景、しかし・・・
地方に関して、特に密集の少ない小規模な地方都市では、店舗の営業時間短縮などの影響はあれど、基本的には日常が少しずつ戻りつつあるように感じます。
しかし、飲食・サービスの店舗、特に小規模な店舗やビュッフェなど、新しい生活様式への適応が難しい店舗、ホテルなどは、休業・営業停止などの張り紙などをしている店もちらほらと見かけます。
また、高級食材を生産・出荷している第一次産業の関係者も、大きな打撃を受けたことが想定されます。
中核病院・個人病院・デイサービス施設の危機
一連の新型コロナウイルスで行動変容をしたのは、「高齢者」ではないかと感じます。
高齢者の場合や持病のある場合、新型肺炎に感染すると重篤化しやすくなります。
そうすると、どうしてもこれまで利用していた病院やデイサービスなどの利用を控えよう、という考えが高齢者・家族の側としても出てきます。
病院や福祉施設での集団感染の報道が以前は相次いだことからも、「できるだけ利用を控えよう」という方向に動くのは仕方ないですが、病院や福祉施設としては、
- 新型コロナウイルス対応による様々なコスト
- 職員の離脱
- 利用者の減少
など、様々な課題が表面化しています。
時事通信社の記事では、病院利益率、赤字に 新型コロナで経営悪化という記事では、
日本医療法人協会は18日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた医療機関の経営状況に関する緊急調査結果(速報値)を発表した。有効回答を得た1049病院を集計したところ、収入に対する利益の割合を示す4月の「利益率」は9.0%の赤字。黒字だった前年同月から10.0ポイント下落し、経営悪化が鮮明となった。新型コロナを敬遠して外来患者が大幅に減ったことなどが影響したとみられる。
と、医療機関の経営環境が急速に悪化した事が記されています。
また、東京新聞の記事では、更に踏み込んで、<新型コロナ>民間病院6月危機 「資金底つく」 コロナ以外の患者減「助成必要」 全日病会長 と、
新型コロナ以外の患者の減少などで病院の経営が厳しくなっているとの認識を示した。四月分の診療報酬が支払われる六月には、運転資金が足りなくなる病院が相次ぐ恐れがあるという。
猪口氏は「四月は入院・外来ともに患者が激減していることを考えれば、六月には多くの病院が資金ショートしてしまう」と指摘。医療従事者は感染のリスクにさらされながら治療に当たっているが、「夏の賞与はどうなるのか。このままでは現場の頑張りに報いることができない」と危機感を示した。
と、多くの病院で6月には資金ショートするという、極めて深刻な状況を話しており、今後病院経営がさらに危うくなる可能性を示しています。歯科医院・福祉施設も報酬を公的制度に頼っている以上、今後の影響は避けられないでしょう。
独立行政法人 医療福祉機構では、病院・診療所・福祉施設などに無利子・無担保など特別条件での貸付を行っていますが、あくまでこれは貸し付けであり、返済の必要があるため、どこかで返さないといけません。(返済猶予・返還の開始時期への配慮はしてくれていますが・・・)
そのため、「これ以上傷口を広げるよりは、今余力があるうちに、事業を整理・売却しよう」という動きが出る可能性も大いに想定されます。
病院・診療所が経済的なダメージを受けたところに、新型コロナウイルスの第二波・第三波が来たら・・・と想定すると怖さもありますが、今回の状況においては、国の積極的な支援が要されると感じます。
地域のあらゆるイベントが中止という、大きな経済損失
SankeiBIZの記事では、新型コロナで祭りのない夏 推定損失1兆8000億円の試算もという記事が掲載されていました。
一見は日常に戻りつつあるかのような現在ですが、「祭り」というハレの場が、今年は軒並み消失しています。
多くの人々が一堂に集まる祭りの性質上、「密」を避けることは不可能。夏祭りは各地域にとって重要な観光資源であり、経済的損失は1兆8000億円に膨らむと推定する専門家もいる。
など、あらゆる祭り・花火大会・フェスなどのイベント中止の影響、
地域経済に与える影響を懸念する宮本氏は「地域観光は外国人が効果を高めており、これが戻らない限り厳しい状態が続くだろう」
という、インバウンドが喪失された状況が続く事への大きな懸念など、今後も新型コロナウイルスの影響はあらゆる産業に及ぶことが懸念されます。
今後の影響がどこまで続くかは不透明ですが、治療法の確立と、感染の落ち着きを願うばかりです。