ジゾキュー不正受給問題は、なぜ炎上しているのか?

当サイトはもともと、経営者や意志決定層のためにヒントを提供する、という立ち位置で運営していますが、5月から扱っていたジゾキュー(持続化給付金)の問題が、ここ数ヶ月で累計22万件近いアクセスを集めています。

 

アクセスする人の中には、不正受給を通報したい、不正受給をそそのかされて、それにのってしまい不正受給をしてしまったというものも多いです。

 

当初から、

  • 持続化給付金は、対象に当たる必要な法人・事業主はためらわずに受給して!

と言ってきた反面、

  • 対象外の人は、税理士さんや専門家の人が言うように後で絶対バレて恐ろしいことになるから、やらないで
  • 各種操作をしてもらえないものをもらえるようにするのもNG

とも書いてきました。

 

そんな中で、今になり、不正受給問題など様々な問題が発生し、逮捕者も続出しています。

 

ジゾキューのシステム自体に関しては、あくまで個人的な意見ですが、

  • 当時のあの日本中がパニックの状況下で、支給をいち早くするために、政府・経産省・中小企業庁が異例とも言える措置を取ったことは、致し方ない
  • 当時は緊急事態宣言もあり、極めて多くのマイクロ法人・事業者が苦境に立たされている状況であった
  • その状況で厳格な審査を行えば、相当高い確率で、審査が数週間・1,2ヶ月単位で遅延し、間に合わずに破綻・倒産等持たない企業はより増えていただろう

 

と思います。

事業者の委託等に関してはあれこれ意見があるようですが、素人の当方がどうこう言うことはしません。

 

それを踏まえた上で、ジゾキュー問題はなぜ燃えたか、という理由を考えると、以下の点が大きいかと思います。

 

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単月50%減というボーダーライン

通常の業種であれば、売上が20%~30%減るだけでも一大事です。

そこの中で売上50%以上減、というのはほとんどの業種で致命傷です。

とはいえ、ボーダーラインを10%~40%の所に持ってくると、相当数の法人・事業者が対象になってしまう。

事務は間違いなく滞るし、かといって、法人・個人事業者全てに給付すると、必要な費用が相当な額になる。

なので、売上が50%減に満たない事業者は、今回は我慢して、でも売上減少事業者向けの特別融資の制度や様々な支援策を打ち出していくから、そちらでなんとかしてというのは、致し方ないと思っています。

(とはいえ、どんな制度を取っても、意見は出てくるんですよね・・・)

例えば緊急事態宣言の時に、売上48%減だった法人や事業主は、「あと2%・・・、じゃあ売上を調整するか・・・」ということ、いろいろな意味で苦しい状況だと、そういう考えが頭をよぎるのも仕方ないけど、ではそこで「でも、今はみんな苦しいときだし、火事場泥棒的な事はしたくない、そこは正直に行こう」となるか、「2%だからいじってしまおう」で給付金を不適切な形で受けてしまうか、というのは全然違いますよね。

 

また、売上操作をしようとしたら、普通は法人・多くの個人事業主には税理士が付いていますので、税理士が止めます。

 

まっとうな税理士であれば、「税務署はきちんと把握していますし、給付金申請のために操作すれば後でまずばれます。」と言うでしょう。

(そうでない専門家がいたとしたら、非常に残念ですが・・・)

 

こういう、「うちはしんどいときも正直にやったのに」という中で、どんどん不正受給者が出てくると、まっとうにやってきた人は「なんだコイツ!!」と思うのも仕方ありません。

 

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法人最大200万円・個人事業主最大100万円という(個人にとっての)金額の大きさ

マイクロ法人以外の、大半の法人にとっては200万円というのは、社員1ヶ月分の給与になるかもわからない、小さな額です。

 

一方、個人事業主や一般の人から見ると、100万円、200万円というのは大きな額です。

 

個人にとってみれば、100万円というのは、宝くじで結構大きな等級が当せんするようなものです。(宝くじは非課税で、持続化の方は課税対象ですが・・・)

 

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ジゾキューを受け取った人と対象外の人、受け取れなかった人の間の不公平感

 

これだけ大きな額になると、受給対象外だった人やサラリーマン・公務員・派遣社員など一般人の、不正な手法で受け取った者に対する怒りはどうしても出てくるでしょう。

 

あとあと、コロナ復興税などの形で、確実に国民全体がその負担をかぶるわけですから。

 

その点で、ジゾキューの不正受給者は、ある意味国民全員から薄く広く、お金を詐取したと言われても仕方ありません。

加えて、

  • 売上50%の壁で、給付対象者が限られた
  • 様々な個人・特殊な団体・マルチまがい商法の連中などが、不正受給した
  • 不正受給の被害額4億、18億など大きな数字が並んだ
  • 他法人スキームを悪用し、数百万~一千万単位で不正受給をした経営者もいる
  • ジゾキュー不正受給者が、「もらえるものをもらわないなんてバカだよ」とか「(不正受給したお金をなんで返さなければいけないの?」「今は完全なボーナスステージ」「こういう制度を作った政権が悪い、私は被害者」など、開き直る記事が続々
  • 一方で審査遅延も多発、様々なことに間に合わない人も出てくる

と、不正受給の多発、不正受給者の開き直り、マルチ的スキームで、知人などから執拗な勧誘を受けたり、学校や職場の先輩後輩の上下関係で押しつけられそうになった人もいるなど、ジゾキュー対象外の人にとっては、不正受給者のことを「火事場泥棒!」と言いたくなっても仕方ないでしょう。

 

 

ジゾキュー 不正受給 怒り
 

 

 

 

 

 

 

 

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ジゾキュー受給者のうち一部が、給付金をもらったことを自慢げに吹聴したり、事業以外の旅行・買物・遊興に使っていることに対する怒り

ジゾキューに関して、5月からいろいろ見つめてきた当サイトとしては、5月~8月までのところで、

  • ジゾキュー出ました!
  • 給付金で経済を回します!(と言ってブランド品や旅行・電化製品を買ったことを見せびらかす)
  • ジゾキューをもらわないのはもったいない(本当はもっと侮蔑的な表現でした)
  • ジゾキューは個人でももらえますという嘘が、様々なサイト・SNSで出回る

など、「人数多いし不正にもらっても捕まることないからもらった者勝ち、どうせ人数は数万人単位かそれ以上だから、全部捕まえるのは無理だろ、じゃあもらっちゃえ」的な空気があったのも事実です。

 

しかし、通常の経営者・事業主の場合、ジゾキューが出ても、

  • 家賃支援給付金支給前の家賃の繋ぎ支払い
  • 取引先への支払い
  • 税金・社会保険料の支払い

などで、すぐに100万~200万は消えてしまいます。

 

この点でも、ジゾキュー受給者の中でも、「本当にもらえる状況でもらい、ほとんど仕事の支払いにあてた人」と「不正受給で詐取した数十万~100万で、インスタやTwitterなどに遊びの写真をバンバン貼り付けた奴」の間でも、

「なんでジゾキューをこんなことに使ってんだよ・・・うちは全て税金や支払いで消えたのに」と感じる不公平感はあったと言えましょう。

ジゾキュー 炎上
 

 

 

 

 

 

 

 

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国・地方自治体の施策には、こういう理由でこれをします、という制度趣旨がある、それに反してはダメ

 

制度は、活用対象であれば積極的に使う必要がありますが、国や自治体が給付・助成・補助を行う場合は、本来の制度趣旨というのがあります。

 

もちろん、制度趣旨の範囲内での活用(裏技)は、否定するものではありません。(もちろん、モラル・やっていいこと・これが家族や友人に話して軽蔑されないかどうか、という範囲はありますが)

 

ジゾキューの制度趣旨を端的に表した文言はこれです。

感染症拡大による、営業自粛等で特に大きな影響を受けている、中堅・中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧としていただくために、事業全般に広く使える給付金を給付します。

つまり、ジゾキューの制度趣旨をかみ砕くと、

 

  • 緊急事態宣言などで本当に大変でしょう、事業を続けるために繋ぎのお金を給付するから、それで取り急ぎ繋いで立て直して!(多法人スキームなどで二重取りや数百万~一千万単位で受けたするなよ)
  • 対象は中堅・中小・小規模企業・フリーランスで、それ以外は対象外だよ(一般の個人は受給できないよ)
  • お金は、事業全般に使ってね!(つまり遊びとか個人的なことには使わないでね、銀行だって資金使途の指定は厳しいから、事業以外の旅行・買物・遊興に使っちゃいけないことはわかるよね!)

ということになります。

 

この制度趣旨を把握した上で、制度を活用しないと、痛いしっぺ返し・・、どころか往復ビンタを食らい、社会的に立ち上がれなくなることもあります。

 

以前、ある制度の活用で、それは制度趣旨とはちょっと違うのでは・・と書いたところ、「仕組み上規制されていないのに、なぜ問題なのか」ご指摘を受けたことがありました。

 

それに関しては、個人向けの施策に関して堅苦しいことをいうのも問題だし、こちらも言い方が杓子定規だったと感じ、申し訳ない旨を伝えました。

 

とはいえ、いわゆる制度の裏技(第三者が見たらどう感じるかは別として)と、さすがにこれを超えたらまずいんじゃないの、という不正には非常に近いけれども、大きな壁があります。

 

現在ジゾキュー関連で摘発されているのは、黒も真っ黒、確実な不正受給やその方法で周りを巻き込んだという最悪のパターンですので、不正の不正です。

 

これから、不正、場合によってはグレーゾーンに見えるけど実際はアウトだったことも刑法の時効7年、特に向こう5年間をかけていろいろ摘発されていくでしょう。

 

今回のジゾキューが地獄化給付金と化している事態を通し、

うまい話には裏がある

ということ、そして、

日本だけでなく世界が大変な時における国への裏切り行為(ジゾキュー不正受給)は、様々な形で糾弾され、摘発される

ということを、9月・10月で恐ろしいくらい私たちは目の当たりにしました。

 

・・・・人間、正直に生きるのが一番なのと、相手が正直とは限らないことも心得る、うまい話は疑ってかかるというのは重要ですね。

 

詐欺師や怪しい情報商材などにある、ノーリスクで○○円確実に稼げるなどというのは、「リスクありまくりだったりろくに稼げないし、相手にぼったくられるだけだよ」というのは心得る必要があります。

 

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