ご存知の方も多いと思いますが、Uberという、他社の車をタクシー代わりに使えるwebサービスがあります。あわせて、近年日本でメジャーになった、Uber eatsという食事の宅配サービスがあります。
どちらも、スマホ上から呼び出し・配達・支払いなどを一気に済ませられるわけですが、先に始まったUberよりも、後からスタートしたUber Eatsの方が定着している印象が強いです。
普及に課題を抱えるUberに比べ、Uber eatsは日本で定着していることから学ぶ、規制産業とそうでない産業の違いとは?
Uberを日本で利用しようとすると、高級ハイヤーなどしか利用できず、一般のタクシーより利用にコストが掛かります。一般の人が運転手となってくれる、Uber Xという、Uberの中で一番メジャーなサービスは利用できません。
なぜなら、タクシー事業のように、人を運搬する事業については、国(国土交通省)の許可申請が必要になるからです。
Uber Xの場合、日本では、「白タク」と呼ばれる違法行為になってしまい、運転者に罰則が課せられてしまいます。
「白タク」とは、一般の人が不特定多数の人を送迎し、金品を受け取る行為です。営業用の車やタクシーが緑色のナンバープレートである一方、通常の車のナンバープレートの色が白というところから、「白タク」と呼ばれています。
一方、Uber Eatsは、配達手段を、自家用車や大型のバイクを不可とし「自転車か125cc以下の原付」に限定することで、規制に反しない方法で、一般の人に配達を代行させています。
つまり、Uberのシステムをそのまま日本に持ち込むと規制に反する一方、Uber Eatsは、Uberの世界的知名度と、規制の問題をうまくパスして、日本でも問題なく運用できたわけです。
付け加えると、日本の交通事情や、都内では駐車場など車の維持費が高く、若年層にはなかなか持ちにくいという事情も推察できます。自転車や125cc以下の原付きでお小遣い稼ぎができるUber Eatsは、若年層にとって取り組みやすいアルバイトになりうるというのも言えるでしょう。
このように、いろいろなビジネスを始める上では「規制」が存在します。そして、「規制」が存在するなりの理由があります。
Uber Eatsは規制の枠外のビジネス形態だから、スムースに日本でも展開をスタートできたと考えられます。
新規ビジネスを起こす上でも、そのビジネスが規制に引っかからないか、規制対象であれば、その業務に関して、許可・認可・届出などでOKがでるかををあらかじめ、専門家と相談することは大切と言えましょう。