事業において、「この部分が一番の事業のポイントである」という「センターピン理論」という言葉を聞いたことがある方もいると思います。
しかし、実際「事業において、何がセンターピンなのか」を探求することは、簡単な作業ではありません。
このセンターピンを見つけるためのこつや、様々な経営手法、また著者の折口雅博氏の半生を記した書籍が、「アイアンハート」という書籍。
担当者は電子版で読みましたが、書籍だと512ページというかなりのボリューム。
著者の折口氏に関しては、ディスコの経営・介護・人材派遣などを手がけ、一時代を築いた方ですが、このエピソードに関しては様々なところで書かれています。
ですので、今回は「事業のセンターピンを探す」という一点に絞って当書籍を紹介します。
なお、新経済連盟のホームページには、折口氏の2018年講演の書き起こし、「激動の起業家ストーリー 伝説の起業家 折口雅博の『4つの転機』」も記録されています。
こちらも学ぶところが多いので、ぜひ目を通してみてはいかがでしょうか。
事業のセンターピンを探す習慣
まず、「センターピン理論」という言葉を改めて抑えます。
ボウリングでは、1番ピンを倒すと、他のピンも重なって倒れることから、1番ピンが「センターピン」に当たります。
事業でも同様で、「この事業でここは『絶対に』突く必要がある」という部分を「事業のセンターピンと定義します。
本書では、各種事業について、これがセンターピンだというものを定義しています。
- ディスコ→常に満員である
- 宿泊サービス業→常に清潔であること
- レストラン→料理がおいしい
- 進学塾→成績がアップする
- 介護事業→居心地の良さ
- 軽作業→人材をいかにスピーディーに集めてくれるか
- エアライン→エコノミーシートの角度
このように、様々な事業において、何らかのセンターピンが存在することが言えます。
とはいえ、自分の事業のセンターピンは何なのか?という目線に立つと、必ずしもセンターピンが一朝一夕で見つかるわけではありません。
当書籍では、「センターピンとは」、「センターピンの探し方のコツ」として、
- センターピンは事業の「本質」「最重要ポイント」「絶対条件」である
- センターピン理論とは、ビジネスの本質を見極め、外さないことである
- センターピンを倒すとは、物事の本質を外すことなく事業を行う
- センターピンを探すためには、常に「顧客目線」で考える
- 顧客目線とは別に、経営者目線も考える、自身が顧客となった時は、自分がその店の経営者となったつもりで物事を見る
- どんな商品にお金を出すか、逆にこれなら買わない、使わないというポイントは何かを考える
- 向き合うべき相手の立場に立って考える
- すべてのことに「自分が○○だったら」という当事者意識を持って臨む姿勢が「ただの体験」を「貴重な経験」に変える
- まず1年チャレンジ、そして3年間で物の見方が変わる
折口雅博氏の説くセンターピン理論全体に関しては、前述の「アイアンハート」をぜひお読みいただきたいとして、ぜひ経営者であっても管理職・一般職員であっても、「物事の本質・センターピンとは何か」を考える姿勢は、極めて重要と言えましょう。