下請け事業者・フリーランスが身を守るために知っておくべき、国の新型コロナ(Covid-19)関連要請

新型コロナウイルスが日本だけでなく全世界的に蔓延する中、大企業・中小企業・零細企業・個人事業主・フリーランスの種別を問わず、多くの会社が、経営環境の危機・大きな変動状態にあると思います。

 

特に、大企業から下請けを受けている企業などは、取引先からの要請や取引停止要請と様々な影響が出ている会社も少なくないかと思います。

 

ここから記述することは、あくまで国の「要請」という形ですが、緊急事態宣言であるように、実質現在の日本では強制命令ができない以上、国としては、「強いレベルの呼びかけ」と捉え、これに反することは、大きなマイナスとなる恐れがあることは念頭に置いた方がよいでしょう。

(本音:要請するなら、中小・零細・フリーランスに対し、要請対応に関する補償を行わないと!と強く言いたいです。要請と補償がセットでないと、要請に従ったけど何もない、では従わない事業者が出るのも当然ですし、補償がないとマイナスが広がるだけですので、「なんで従わないといけないんだ、助けてくれないのに」となります。今回は、様々な企業・個人にとって重篤な事態です)

 

まず知っておいていただきたいのは、日本には、下請け・個人事業主・フリーランスなどを守るための、「下請法」というのが存在します。

 

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新型コロナウイルスが蔓延するからこそ、知っておくべき下請法の存在

下請法は、小さい規模の事業者・個人事業主・フリーランスが、大きな規模の企業から不当な要求・取引のないようにするための法律です。

 

詳細については、今回は説明を省きますが、

という、元請け企業の側にとっては特に「企業のイメージ・信用」という点で大きなマイナスとなります。

 

報道発表資料では、法人番号 、名称、本店所在地 、代表者名(代表取締役・○○○○)、事業の概要、資本金が公表されます。

また、違反事実の概要、勧告の概要、措置を公表され、今後の違反をなくすために措置をとることを要されますので、元請け側の企業は、大きな社会的信頼の毀損が想定されます。

 

また、不当な扱いを受けた際の連絡先も記事の最後に記載しますので、もし悩み等があれば連絡してください。

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新型コロナウイルスので、中小企業・個人事業主・フリーランスを守るための各種要請とは?

今回の一連のコロナウイルスの関係で、公正取引委員会・経済産業局は、下請けサイドの事業者・フリーランスをまもるために、下記のような要請をしています。

 

約1,100の業界団体を通し、下請けとの取引への配慮要請

取引上の下請けへのマイナス転嫁や納期・支払いに対し、下記のことは、「しないでください」と要請しています。

  • サプライチェーンの毀損等、様々な事情を理由にして、通常支払われる対価より低い下請代金の設定を行わないこと
  • 適正なコスト負担を伴わない短納期発注や部品の調達業務の委託を行わない(特に、中国に安値で発注していた企業)
  • 下請事業者が、事業活動を維持し、又は今後再開させる場合に、できる限り従来の取引関係を継続し、あるいは優先的に発注を行うよう配慮
  • 様々な事情で、下請け事業者・フリーランス納期に遅れる可能性に留意し、納期に関し柔軟な対応(特に、少人数で回している企業、フリーランスなどは、子供が休みになるなどで通常に比べ付加がかかっている可能性が高い)
  • これまで安価な材料を供給していた諸外国のサプライチェーンが毀損しているため、原材料価格等の高騰及び短納期によるコスト増を踏まえ、適正なコスト負担を行う
  • 下請事業者の資金繰りが苦しい状況にあることを踏まえ、迅速な支払いや前金を先に払う(部品・人件費だけでも先に払うなど)等の柔軟な支払いに努める
  • 発注の取消・変更を行う際には、仕掛品代金の支払いを行うなど最大限の配慮を行う

以上の要請が出ています。

一言で言うと、

「確かにみんな大変だけれども、小さい規模の事業者に対する配慮はきちんとお願いします」

という状況です。

もし不当な要求を受けた場合は、下請かけこみ寺:0120-418-618まで相談してみてください。

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中小零細企業だけでなく、個人事業主・フリーランスとの取引に関する配慮要請もある

個人事業主・フリーランスとの取引に関しても、最大限の配慮が国から要請されています。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止やそれに伴う需要減少等を理由に、契約を変更する場合

 

  • 報酬額や支払期日等の新たな取引条件を書面等により明確化
  • 下請振興法、独占禁止法及び下請代金法等の趣旨を踏まえた適正な対応

を行うことが要請されています。

また、

  • 個人事業主・フリーランスが、事業活動を維持し、又は今後再開させる場合に、できる限り従来の取引関係を継続し、あるいは優先的に発注を行う
  • 個人事業主・フリーランスから、発熱等の風邪の症状や、休校に伴う業務環境の変化を理由とした納期延長等の求めがあった場合には、十分に協議した上で、できる限り柔軟な対応を行う

という要請も出されています。

上記についても、不当な扱いがあれば、下請かけこみ寺:0120-418-618まで相談することが大切です。

 

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下請けGメンによる実態把握

全国で120名の下請Gメンが中小企業を訪問し、取引上の困りごとについてヒアリングを行っています。

実際に書かれた相談事例では、

■放送コンテンツ産業
「3月に予定していたイベントが全て中止、売上の目途が立たない。」
■産業機械製造業
「中国からの部品供給の停滞により、代替製造の依頼がある。なかには短納期の仕事もある上に、残業代を下請代金に上乗せしても、利益があがらない。」
■建設機械製造業
「人手不足の影響から少ない従業員で経営していたところ、今、従業員が新型コロナウイルス感染症に罹患すると、工場の稼働を止めざるを得ず、倒産の危機に直面する可能性がある。」

このような事例に対する相談対応に加え、

親事業者による買いたたきなど不当な行為を把握した場合には、下請法等に基づき、厳正に対処

という強い文言があります。

ヒアリングは電話でも受けられますので、下記の下請Gメンヒアリング担当まで連絡、相談することや、可能であれば他の面でも相談できそうな機関を紹介してもらうことが重要といえます。

問合せ先は、各経済産業局下請Gメンヒアリング担当に行う必要があります。

中小企業庁取引課取引調査班 03-3501-3649

各経済産業局

北海道 011-700-2251
東北 022-217-0417
関東 048-600-0324

中部 052-589-0170
近畿 06-6966-6037
中国 082-224-5745

四国 087-883-6423
九州 092-482-5450
沖縄 098-866-1755

 

加えて、新型コロナウイルスに対する企業向けの支援策についても、別ページでまとめております。

 

また、経営自体の相談も、税理士など普段から取引のある専門家に相談するか、都道府県のよろず支援拠点のよろず相談窓口に相談してみるのもよいでしょう。

北海道よろず支援拠点  011-232-2407

青森県よろず支援拠点  017-721-3787

岩手県よろず支援拠点  019-631-3826

宮城県よろず支援拠点  022-393-8044

秋田県よろず支援拠点  018-860-5605

山形県よろず支援拠点   023-647-0708

福島県よろず支援拠点   024-954-4161

茨城県よろず支援拠点   029-224-5339

栃木県よろず支援拠点   028-670-2618

群馬県よろず支援拠点   027-265-5016

埼玉県よろず支援拠点   0120-973-248

千葉県よろず支援拠点   043-299-2921

東京都よろず支援拠点   03-6205-4728

神奈川県よろず支援拠点  045-633-5071

新潟県よろず支援拠点  025-246-0058

山梨県よろず支援拠点  055-243-0650

長野県よろず支援拠点  026-227-5875

静岡県よろず支援拠点  054-253-5117

愛知県よろず支援拠点  052-715-3188

岐阜県よろず支援拠点  058-277-1088

三重県よろず支援拠点  059-228-3326

富山県よろず支援拠点  076-444-5605

石川県よろず支援拠点  076-267-6711

福井県よろず支援拠点  0776-67-7402

滋賀県よろず支援拠点   077-511-1425

京都府よろず支援拠点  075-315-8660

大阪府よろず支援拠点  06-4708-7045

兵庫県よろず支援拠点   078-977-9085

奈良県よろず支援拠点   0742-81-3840

和歌山県よろず支援拠点   073-433-3100

鳥取県よろず支援拠点   0857-31-5556

島根県よろず支援拠点   0852-60-5103

岡山県よろず支援拠点   086-286-9667

広島県よろず支援拠点   082-240-7706

山口県よろず支援拠点  083-902-5959

徳島県よろず支援拠点   088-676-4625

香川県よろず支援拠点   087-868-6090

愛媛県よろず支援拠点  089-960-1131

高知県よろず支援拠点  088-846-0175

福岡県よろず支援拠点   092-622-7809

佐賀県よろず支援拠点   0952-34-4433

長崎県よろず支援拠点   095-828-1462

熊本県よろず支援拠点  096-286-3355

大分県よろず支援拠点  097-537-2837

宮崎県よろず支援拠点  0985-74-0786

鹿児島よろず支援拠点  099-219-3740

沖縄県よろず支援拠点  098-851-8460