困窮世帯に3カ月間で合計18万円~30万円支給、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金(9/7)

新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の運用が始まり、実際の支給が11月末まで伸びました。

現在も、融資(総合支援資金、緊急小口資金)やひとり親家庭向けの助成などの話は出ていますが、これとはまた別の追加対策となります。

対象は、生活保護世帯以外の苦しい世帯。(とはいえ、条件に合致しない世帯が多いと推察されますが・・)

支援の隙間を埋めるため、”生活保護に準じる水準の困窮世帯に対する支援策”として、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金が打ち出されました。・・・が、現状、想定予算の一割程度しか使われていないという話もあり、また条件の多さ等で利用を断念する世帯も少なくありません。

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新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の概要と現状(9/7)

  • 緊急小口資金等の特例貸付を利用できない世帯、つまり、小口資金・生活支援貸付を最大限に借り切った(140万~200万)か、貸付を相談して断念したり、不承認になったかが条件。ハードルは高い
  • 収入要件
    収入が下記の合算額を超えないこと(月額)
    ・市町村民税均等割非課税額の12分の1
    ・生活保護の住宅扶助基準額
    (例: 東京都特別区 単身世帯13.8万円、2人世帯19.4万円、3人世帯24.1万円)
  • 生活保護に近い水準の世帯対象(世帯単位で見る、実際に生活保護を受けている世帯は除く)
  • 資産が市町村民税均等割非課税額の1/12の6倍以下か資産100万円以下かどちらか低い方などの要件あり(世帯全体。実際の運用は市区町村が金融機関に照会し、確認する形かと思われるが、どこまでトレースできるか)
  • ハローワークに求職の申込をし、誠実かつ熱心に求職活動を行うことが条件
    毎月1回以上、自立相談支援機関の面接等の支援を受け、かつ毎月2回以上、公共職業安定所で職業相談を受け、加えて原則週1回以上、ハローワークが求める求人先へ応募を行う又は求人先の面接を受けることが求められる。フルタイムで働く人には厳しそう
  • 就労による自立が困難であり、本給付終了後の生活の維持が困難と見込まれる場合には、生活保護の申請を行うことが求められる
  • 3カ月間で最大30万円を給付
  • 単身なら月6万円、2人なら月8万円、3人以上月10万円(地域・所得を問わず)
  • 住居確保給付金、ひとり親世帯臨時特別給付金、低所得子育て世帯生活支援特別給付金との併給は可能
  • 支給期間は7月以降の申請月から3か月(申請受付は11月末まで延長)
  • 約20万人の利用を想定(現状は想定よりかなり少ない)
  • 持ち家の世帯も対象にする
  • 生活保護世帯は対象外
  • 福祉事務所が窓口(社会福祉協議会)
  • 新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金制度のコールセンターは、0120-46-1999 受付時間:9:00~17:00(平日のみ)

ニュース等を見る限りでは、世帯構成員の就労までのつなぎという立ち位置の要素が見られます。

ハローワーク経由の求職活動や、生活保護の申請も必須となる方向です。

今回、当初の発表は観測気球かと思われましたが、発表ほぼそのままの制度で行われる事になりました。本当に支援が必要な世帯に「意義のある支援が」行き届くことが大切ですが、この制度に対して、意見はわかれるかもしれません。

ただ、現状の喫緊課題として厚生労働省が挙げている、

緊急小口資金等の特例貸付の申請期限を延長してきた一方、貸付限度額に達している、社会福祉協議会から再貸付について不承認とされた、といった事情で、特例貸付を利用できない困窮世帯が存在する。こうした世帯については、新たな就労や生活保護の受給につなげていくことが考えられるが、必ずしも円滑に移行できていない実態がある。

という現状から、緊急的な事態ということで、やむを得ない一面もあるかもしれません。

生活保護世帯と、普通の世帯の間にある、ちょうど保護制度のエアポケットにはまってしまっている世帯を援助するという形ですが、かなり対象は限定されています。

多くの人が、制度について思うところがあるかもしれませんが、もし困っている友人・知人がいたら、市区町村の生活支援窓口や社会福祉協議会、民生委員など生活支援にかかる窓口や地域の担当者に相談するよう、伝えてあげてください。

 

参考:厚生労働省報道発表 「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」(仮称)の支給について