今回の新型コロナウイルスで、家賃が・・・という人、いらっしゃるかもしれません。
2020年4月20日より、住宅確保給付金の要件が緩和されます。
基本3ヶ月~最高9ヶ月分の家賃給付の措置が、上限あり(地域で異なる)ながらも行われる措置です。
まず、twitterで流れてきたタイムラインで、井上純一さんのマンガ解説がわかりやすいので、こちらをご覧ください。
ただ、住宅確保給付金+自治体名で検索しても、このことがアップデートされていない自治体は意外とあります。(おそらく、20日前後に更新されると思いますが・・・)
地域・地方によっては、現在の制度改正が多すぎて、担当者も把握し切れていない可能性があります。
ですので、大本の厚生労働省が出している「事務連絡」を見ていきましょう。
約129ページに渡るPDFですが、重要なのは最初の方です。要点をピックアップしていきます。
もともとの、住居確保給付金とは?
まず、当初の制度では、下記の対象を満たすことが必要でした。
- 申請日において65歳未満であって、離職等後2年以内の者
- 離職等の前に世帯の生計を主として維持していたこと
- ハローワークに求職の申し込みをしていること
- 国の雇用施策による給付等を受けていないこと
この上で、
①収入要件:申請月の世帯収入合計額が、基準額(市町村民税均等割が非課税となる収入額の1/12)+家賃額以下であること。家賃額は、住宅扶助特別基準額が上限。
(東京都1級地の場合)単身世帯:13.8万円、2人世帯:19.4万円、3人世帯:24.1万円
②資産要件:申請時の世帯の預貯金合計額が、基準額×6(ただし100万円を超えない額)以下であること。
(東京都1級地の場合)単身世帯:50.4万円、2人世帯:78万円、3人世帯:100万円
③就職活動要件:ハローワークでの月2回以上の職業相談、自治体での月4回以上の面接支援等
など、ややこしい要件があります。
住宅確保給付金の支給額・支給期間は?
支給額:賃貸住宅の家賃額(上限額は住宅扶助特別基準額)(東京都1級地の場合 単身世帯:53,700円、2人世帯:64,000円)で地区により異なります。
支給期間:原則3か月間(就職活動を誠実に行っている場合は3か月延長可能(最長9か月まで))
と、支給額・支給期間もややこしいです。
この中で、条件に当たる部分が緩和されました。
なぜ?という点も含め、掘り下げていきましょう。
住居確保給付金の支給対象の拡大に係る、生活困窮者自立支援法施行規則の改正の制度趣旨は?
いきなり硬いタイトルですが、なんでこの改正を行うのか?というところをざっと抑えておきましょう。
要点をかいつまむと、
- 新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の状況の中では、休業等に伴う収入減少により、離職又は廃業には至っていないがこうした状況と同程度の状況に至り、住居を失うおそれが生じている方への支援を拡大することが重要
- 住居確保給付金について、生活困窮者自立支援法施行規則(平成27年厚生労働省令第16号)を一部改正し、令和2年4月20日から施行し、支給の対象を拡大する
- 相談者の中には、住まいだけでなく、家計管理の困難や公共料金や税等の滞納、就職に向けた活動がうまくいっていないなど、様々な課題を抱えていることも考えられる
- 自立相談支援機関(自治体・社協など)では、相談者のニーズや課題を踏まえた包括的な支援を実施する観点から、住まいに限らず今の悩みや不安についても聞いて、就労準備支援、家計改善支援事業、一時生活支援事業などもいろんな制度を積極的に活用させてあげて、本人に寄り添った支援をしてね
という趣旨を踏まえ、今回の条件緩和を行いました。
加えて、
- 事務連絡の内容については、国土交通省から地方自治体の住宅部局や賃貸住宅関係団体・不動産関連団体へ周知されるので、住宅部局などと連携して対応
とあり、つまり、「自治体や賃貸・不動産関係の団体にも知らせているから、ちゃんと困った人には制度趣旨に基づき、制度を知らせてあげてね」という意味合いも含んでいます。
2020年4月20日からの住宅確保給付金は、どう条件が緩和される?
まず、この記事を書いているのは4月14日ですが、制度緩和は20日から始まるというところに気をつけてください。
条件として、
- 「住居確保給付金の支給対象者について、これまで離職又は廃業した日から2年を経過
していない方」が原則の対象だった
のですが、4月20日からは、
- それに加えて、給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由、当該個人の都合によらないで減少し、離職又は廃業には至っていないがこうした状況と同程度の状況にある方も支給対象に含める
- 職業安定所に対する求職の申し込みについて、当面の間、インターネットでの仮登録をも
って正式な求職の申し込みと見なし、仮登録日及び仮登録番号を確認して、住居確保給付
金の申請を受理 - 雇用契約によらず、開業にかかる公的な許可・届出等のない就労形態である、いわゆるフリーランスについて、これまでも運用において個別の状況に応じて支給を行ってきたが、本改正により、休業等により給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由、当該個人の都合によらないで減少し、離職又は廃業には至っていないがこうした状況と同程度の状況にある場合は申請が認められる
- 離職等から2 年以内という住居確保給付金の対象者については、申請日において離職・廃業中であることを求めない。例として、2 年以内に離職した方が、離職後に生計を維持するためにアルバイト等で収入を得ている場合など、現在就労していても、2 年以内の離職等を契機として経済的な困窮状態が継続している方であれば、申請日の属する月の所得が収入基準額を下回る等要件を満たすと申請が可能
などの点で、基準が緩和されることとなります。
この措置でどれだけ対象になる方がいるかは不明確ですが、対象となる方はぜひ自治体に相談し、自立相談支援機関につないでもらうようにしてください。
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