パソナの淡路島移転に賛否両論。もし地方移転の成功例になったら・・・

現在(9月4日)は台風の話で持ちきりですが、他にもWeb上で話題になっていることに、大手人材派遣会社「パソナ」の淡路島移転が様々な意見を集めています。

 

もちろん、ポジティブに見る向きも、そうでない見方をする向きもあります。

 

ただ、コロナ禍までは東京一極集中が極端に進み、一時は東京都の人口が1,400万人を越え、首都圏も含めると、完全に人口が集まりすぎていたというのもあります。

 

加えて、リスク分散の観点からも、東京に拠点は残しつつ、地方に本体を移すという試みは、今後のwithコロナの社会や地方の資源・人材の活用や分散化などを考えると、非常に興味深い社会実験ではないかと感じます。

 

スポンサーリンク

本社機能が移転するという事の大きさ

今回は、パソナが本社機能を淡路島に移転する、ということで、「淡路島!?」と思った人も相当数おられるでしょう。担当者も、最初聞いたときは驚きました。

 

ただ、withコロナの社会がいつまで続くかわからないこと、都市に大きな拠点を置くことのコスト、リモートワークの進展など、これまでのように都心に巨大な拠点を置いて、そこに全社員が通勤するという形は、これから変わっていくだろうな、という感じはありました。

 

でも、え、淡路島!?玉ねぎの名産地で風光明媚だけど、本社機能を淡路島に?というのはやはり、意外というレベルを越えていました。

 

もちろん、現在は世界的大企業や有名企業でも、ユニクロは山口、ベネッセ(福武書店)は岡山のように、登記上の本社は発祥の地に置きつつも、実質的な本社機能はそれぞれ赤坂・多摩センターのように東京都内にあるのが現状です。

 

今回のように、本社機能を地方、しかも離島(とはいえ、瀬戸大橋で神戸・大阪へのアクセスも容易ですが)へ移すという試みは、地方創生、というより「都市・地方双方に対するある種の劇薬」という感もあります。

 

もしパソナのような地方移転例が成果を収めると、「じゃあうちは金沢に本社を移転しよう」、「うちは鳥取」「うちはデータセンターも作りやすいし北海道」「うちは島根」「新幹線も通っているし岡山」、「福井なんていいんじゃない?」と、従来は本社機能の移転先として名前が挙がるはずがなく、また本社の運営コストが安くなるところへの移転が、進むということも、「ありえなくはないな」と感じます。(是非は別として)

 

また、移転先の自治体と東京から本社を移転する企業が連携し、地方の有り余る土地や資源を活かした様々な試みを行うことも考えられます。

 

ここまで、半分冗談も交えて書いていますが、今のwithコロナの状況で、都心にフラッグシップのオフィスを持つ意義というのは、問い直されてくるかと思います。

 

当然、働く人の多くは、都心にローンを組んでマンションや家を購入しているでしょうから、その家どうするの?という話はあります。

 

とはいえ、これまでは工場の地方撤退や各種の全国転勤なども普通にあったわけなので、東京だけ特別扱い?という感じも。

 

また、人材の交流や、霞が関との折衝のための拠点という意味での「東京本社」は当面なくならないかと推測します。

 

今後のパソナの動向、また他に追随する大手企業が出現するかが、興味深いところです。

 

タイトルとURLをコピーしました