金融機関の不稼働口座対策 個人でできる対処法と今後想定されるトラブル

不稼働口座(一定の期間・2年以上など)に、2,000円~3,000円の口座利用手数料を課そうという話が進んでいます。

 

金融機関も、マイナス金利の影響や、特に地方では貸し出しの先細りなどで経営体力面で課題があり、動かない口座をそのまま維持できるほどの体力はなくなりつつあります。

 

これまでも、プレスティア(旧シティバンク)など一部外資(なお、プレスティアは三井住友信託グループの傘下)では、残高が少ない、特定の取引がないなど、「金融機関にとって儲からない顧客」である場合、口座利用手数料として一定金額を求めるところはありました。

 

ただし、一定の条件、例えば前月の月間平均総取引残高が50万円相当額以上、SMBC信託銀行の提携クレジットカードの会員であることなどの条件に当てはまれば手数料は無料など、取引があり、銀行に利益をもたらしてくれる顧客は手数料をとらないとしています。

 

また、りそな銀行、埼玉りそな銀行も、入出金などが2年以上なく、残高が1万円未満の口座に対しては、2004年から年1200円の「管理手数料」を徴収しています。

(参考 日経新聞デジタル

 

ただ口座があるだけの顧客はいらないよ、取引がきちんとあって、使ってくれている顧客しかいらないよということを、一部の銀行は打ち出していました。

 

これが今、複数の金融機関で、「二年以上など一定期間稼働していない口座とか残高が一定以下の口座は、口座維持手数料をこれから徴収するよ」という方向に変わりつつあります。

 

直近でも新聞記事・情報番組などで、12月6日~9日に報じられ、9日ではフジテレビのとくダネ!やテレビ朝日の羽鳥慎一モーニングショーなどでも話題にされています。

 

(なお、この件で三菱東京UFJ銀行に電話問い合わせを行いましたが、有料化が決まっているわけではなく、12月9日時点では内部検討の最中、また明確にお客様にお答えできる状態ではない、新聞やテレビの報道を受け問い合わせが相次いでいる状態だという話を受けました)

 

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なぜ不稼働口座対策が今持ち上がっているのか?

現在、どの金融機関もゼロ金利のおかげで経営が厳しい。

これが大きな原因です。

なので、これまでは、取引がなくても口座をそのままにしておいたり、20年~40年程度前は、むしろ積極的に口座を作るという方向に進んでいました。

 

しかし、以前のように日銀にお金を預けておくだけでお金が増え、貸出先も多くあった昔と違い、

  • ゼロ金利政策や貸出金利全体の低下
  • 貸出先企業の減少
  • クラウドファンディング・VC(ベンチャーキャピタル)など、他の資金調達手段の伸び
  • 口座維持コストや、店舗維持コスト、手数料などの重み

 

のため、これまで口座の残高がほとんどなく、取引もない口座については、銀行にとってはマイナスの面が大きかったです。

 

しかし、さすがに金融機関も耐えられないと、次々と、取引がない顧客・残高の少ない休眠口座に対して、口座利用手数料・口座維持手数料の有料化に踏み切っています。

 

結局シンプルにいうと、

「金融機関としてももう負担ができないから、取引も預金もないお客様は口座を解約して下さい」

というメッセージとなってしまいます。

 

それでは、個人や個人事業主としては、どのように対処すべきでしょうか。

 

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不稼働口座対策とあわせ、不稼働口座を口実にした振り込め詐欺対策も

まず、どの金融機関も、「予告なしに手数料を取るようになることはほぼない」と考えておいた方がよいでしょう。

 

また、口座維持手数料にしても、前述のプレスティアは別として、せいぜい年間千円~三千円程度までのところでしょう。

 

また、今のご時世ですので、「不稼働口座」を口実にした振り込め詐欺が発生する可能性もゼロではありません。

 

普通の人だと、「そんなのに絶対だまされるわけがないだろ」と思ってしまいますが、高齢で認知機能が低下している人の場合、「なんかテレビで不稼働口座が話題になっていて、手数料を取ると言っていた」的な、あいまいな覚え方をしている可能性があります。

 

そういうところへ、振り込め詐欺グループが「あなたの○○銀行の口座維持手数料として、○○万円を振り込んでください、さもないと、全国の金融機関は全銀システムというネットワークでつながっているので、全ての口座を凍結します」的な、普通に考えるとありえないけれども、振り込め詐欺グループなら言いそうな話でお金を振り込ませようとする危険性があります。

 

もしこれにだまされると、当然「騙された人リスト」が詐欺グループに広がりますので、二次被害・三次被害や、訪問販売など別の業者に渡って、別方向から被害を受ける可能性もあります。

 

このように、不稼働口座対策だけでなく、今後起こりそうな「不稼働口座を口実にした振り込め詐欺対策」をしっかりと取った方が良いでしょう。

 

振り込め詐欺対策に関しては、

迷惑電話対策機能・迷惑電話ブロックサービス(株式会社トビラシステムズの、警察や自治体などから収集された迷惑電話番号データと一致した相手からの着信を自動で拒否する機能)のある新しい電話機を使い、高齢者がいる家庭では普段から留守番電話にしておく

 

ことが、確実性が高いでしょう。

 

また、後付けでトビラフォンなど、迷惑電話ブロックサービスの機器をつけることもできます。

 

また、不審な電話があった場合は、家族に相談、もしくは警察の相談ダイヤル

#9110

に電話する、金融機関の電話番号が分かる場合は、金融機関に直接確認するなどし、絶対に迷惑電話の相手に対して対応せず、いったん切って、直接警察や金融機関に連絡・相談するようにしましょう。

 

実際の不稼働口座の運用はどのようになる可能性が高い?

すでにりそな銀行、埼玉りそな銀行は、不稼働口座に対して、様々な事項を定めています。

 

ポイントを書くと、

  • 最後の取引が2年以上前かつ預入残高が1万円以下など下記の条件のどれかに当てはまる

1.該当未利用口座の残高が1万円以上である場合。
2.同一支店で、他にお預かり金融資産(定期預金、積立定期預金、財形預金、投資信託(ファンドラップ含む)、外貨預金、国債、生命保険等)が1円以上ある場合。
3.お借入れがある場合。
4.りそなクラブの代表口座でステータスが「パール」以上である場合。

 

  • 不稼働口座と見なされた場合は、事前に銀行に届けてあるご住所に案内の手紙を送る
  • 口座残高が未利用口座管理手数料未満の場合は、未利用口座管理手数料の口座にある分のみを引き去り、同口座を解約、足りない分については請求しない

 

形となります。

なお、今後誤解がいろいろ生じそうなので、りそな銀行コールセンターに直接問い合わせた運用についても記載しておきます。

Q 不稼働口座になったら、今後再開設は出来ない?

A 再開設は制度上できるが、支店の判断。

Q 他の金融機関や信用情報機関に影響はでるのか?

A  りそな銀行内部のみの扱いなので、他の金融機関や信用情報機関に連絡・情報登録が行くことはない。

 

ということで、

  • 存在を忘れていて今後使う場合は出し入れをする
  • 今後は利用しない場合、解約手続きをする
  • 他の金融機関の取引や、ローン・クレジットなどに影響することはない

という点はおさえておいたほうがいいでしょう。

りそな銀行・埼玉りそな銀行の事例に見る、実際に不稼働口座に扱われたらどうなるか?

不稼働口座となった場合、実際にどうなるかについては、りそな銀行のページに書かれており、他の金融機関でも近いような運用になるかと思います。

 

念のため、概略を掲載します。

 

  • 未利用口座管理手数料の対象となった口座をお持ちの顧客へ、事前に文書にて、届け出の住所に案内文書を送付。
  • この案内で、口座を確認、再度利用(りそな銀行コールセンターに問い合わせたところ、残高照会だけではダメで、口座の入出金が必要、例えば、1,000円入れて1,000円引き出す、ということをすればOK)するか、利用の予定が無い場合は、解約をお勧め
  • 案内後一定期間(約3ヶ月)以内に、利用か、解約すると、未利用口座管理手数料はかからない。
  • 案内を送って一定期間(約3ヶ月)経過後におきましても、利用もしくは解約の手続きのない未利用口座に対して、未利用口座管理手数料の引落しを行う。

という、かなり慎重な手順を経てから口座維持手数料を引き落とす形となっております。

 

そのため、他の金融機関でも、郵送など確実な事前通知なしに、いきなり口座維持手数料を引き落とす、ということは考えにくいと推定し得ます。

 

今回、日本最大手の銀行が口座維持手数料の導入に踏み込めば、他の金融機関も雪崩を打ったかのごとく、口座維持手数料の導入に踏み込む可能性もありえます。

 

ただ、繰り返し記載しているとおり突然の引き落としではなく、事前告知などを行う、口座のお金を少しでも出し入れすれば口座維持手数料の対象外とするなど、完全な休眠口座のみをターゲットとしたやり方をとると思われます。

 

 

個人でできる対策としては、

  • 未使用口座の解約
  • 昔作成した口座については、住所や連絡先が変更されているかどうか確認する
  • 多くの銀行が合併しているので、昔の通帳やキャッシュカードが残っている場合は、発行先に連絡し、対処法や現在の支店を確認などする必要があります。

 

例えば、20年位前に、仕事の関係で三和銀行の口座を作っていたとします。

 

そうすると、三和銀行→UFJ銀行→東京三菱UFJ銀行となり、ケースによっては管轄支店なども変わっている可能性があります。

 

これも現在の合併後の銀行のコールセンターに問い合わせ、現在の扱いがどうなっているかを確認した方がよいでしょう。

 

ちなみに、全銀協(全国銀行協会)には、銀行の合併の系譜があります。

 

これをみていると、

 

  • 北海道拓殖銀行→北洋銀行、住友信託・中央三井信託→三井住友信託
  • さくら銀行・住友銀行・わかしお銀行→三井住友銀行
  • 第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行・安田信託→みずほ銀行・みずほ信託銀行
  • あさひ銀行・大和銀行・近畿大阪銀行・関西アーバン銀行・みなと銀行→りそなグループでりそな・埼玉りそな、関西未来FGで関西みらい・みなと銀行
  • 日本長期信用銀行→一時国有化→新生銀行
  • 日本債券信用銀行→一時国有化→あおぞら銀行

 

と、様々な銀行が合併の歴史を繰り返していることがうかがえます。

 

まず、過去の通帳・キャッシュカードがあるが、現在の金融機関名がわからない場合は、合併後の銀行がどこになっているのかを全国銀行協会の、全国銀行協会相談室(03-5252-3772)に問い合わせてみるとよいでしょう。

 

他にも、金融機関取引で疑問があれば、全国銀行協会相談室に問い合わせをすることをおすすめします。

 

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