持続化給付金・家賃支援給付金等受給を受給した法人・個人事業主は、各種照会への慎重な対応・適正な税務申告を!

持続化給付金不正問題が各所で取り上げられています。

当サイトの編集方針として、ネガティブな話題はできるだけ廃しておりますが、受給後の適切・慎重な対応が必要であることを記します。

改めて、誤って受給した場合は返還することが重要です。

経済産業省も、持続化給付金のホームページで下記のように書いています。

現在、持続化給付金及び家賃支援給付金の不正受給案件の調査を行っております。
不正受給は絶対に許しません。

なお、給付要件を満たさないにも関わらず、誤って申請を行い、給付金を受給してしまった場合などについて、自主的な返還を受け付けています。

給付金を不正受給した方からは、加算金・延滞金つきで返還いただきますが、中小企業庁が調査を開始する前に自主的な返還の申出を行い、返還を完了した方には、原則として加算金・延滞金を課しません。

給付要件を満たさないにも関わらず給付を受けた方は、速やかにご返還ください。

と、「絶対に許さない」という、相当厳しい姿勢を示しています。

また、不正受給と認定された場合、「(不正受給金額×120%)×年率3%の延滞金」(100万の場合概ね130万円程度)を一括で国庫に返納しないと、不正受給者名と住所(市区町村まで)・不正受給金額・不正の内容が経済産業省のサイトに公表されます。

驚くことに、持続化給付金・家賃支援給付金の返還申出(不正・不適切な受給を行ったので返還します)という数でも、持続化給付金だけで18,271件(18,271人・法人も含む)に及ぶということです。

既に捜査が進んでいる場合は返還を受け付けないので、捜査が既に進み、摘発に至っている案件も含めると、最低2万件、あるいはそれ以上になる可能性が高いでしょう。

持続化給付金以後の各種給付金の規定が厳しくなった理由として、この持続化給付金における不正の多さが大きな要因と言われています。

持続化給付金【2021.6.3時点】

返還申出件数 18,271件
返還済み件数 13,188件
返還済み金額 約14,129百万円→約141億円
家賃支援給付金【2021.6.3時点】
返還申出件数 921件
返還済み件数 893件
返還済み金額 約635百万円→約6億3千万円

総計で、約421万件(2021年2月現在)の数だから、不正受給でもバレるわけがない、その上で、放置しておいて何ヶ月か、何年かすれば収まるだろ、海外にいればそのうち時効もすぎるだろと思っている人も、もしかしたらいるかもしれません。(海外にいる間は、時効の進行は中断します)

ただ、以前のページでも触れたとおり、刑事告発された場合事件の時効というのは長いです。

  • 懲役15年以上の罪の時効:10年未満
  • 懲役15年未満の罪の時効(詐欺罪は最高懲役10年なので、15年未満に該当):7年
  • 懲役10年未満の罪の時効:5年
  • 懲役5年未満の罪の時効:3年
  • 罰金:3年
  • 拘留・科料:1年

となっています。

あわせて、海外にいる期間や、本人が逃亡し、起訴状謄本が到達しない場合は、時効の進行が停止します。(もちろん、海外旅行の期間なども、時効にカウントされません)

”参考文献:わかりやすい訴訟の仕組み 自由国民社

 

さらに、給付金絡みの不正での税務調査に関しても、さかのぼる(遡及)期間については、通常が過去3年度分、問題がある場合は5年度分、悪質な場合は7年度分ととなりますので、例えば持続化給付金の給付を受けたのに申告しなかった等は、5年間分~7年間分さかのぼって調査対象となり、悪質な場合や他にも出てきた場合は、こちらでも重加算税、(給付金の関係に関しては今回はわかりませんが)刑事告発の可能性も、ゼロとは言えないでしょう。

また、補足すると、詐欺罪の民事の時効は、被害者が被害を知ってから3年、もしくは事件発生後20年後となります。

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421万件も受給者がいるからバレないでしょ、と思っていた人の末路

例えば、

  • 夜のお仕事でこれまで申告をしていなかったり、パパ活でお手当をもらっていた
  • 新型コロナウイルスで夜の仕事が厳しくなった
  • 収入が激減し、(不正な)給付金受給ブローカーに依頼
  • 摘発、年3%の利率で1.2倍返し+氏名公表+場合によっては刑事告発(全額返還できなければ、当然より厳しい刑になる)
  • そして過去の無申告分も含め芋づる式で掘り起こされ追徴課税
  • 本当は受給対象外だったが、知人やSNSの誘いに乗り悪質ブローカー・にせ税理士など申し込み
  • 悪質ブローカー・にせ税理士が摘発
  • 押収された各種資料より、芋づる式に不正申請者が摘発
  • 加えて給付金事務局・経産省と税務署が連携し情報提供
  • 判明したら年3%の利率で1.2倍返し+氏名公表+場合によっては刑事告発
  • 税務申告も含め、掘り起こされこちらも追徴・・

と恐ろしい末路が待っています。

つまり、

  1. 刑事訴追(逮捕・書類送検・裁判・懲役(執行猶予含む))の恐れ
  2. (持続化給付金であれば)判明時、年3%の金利をつけた1.2倍返し
  3. 税務調査で給付金・補助金以外にも不適切会計・不正があれば、通常過去3年分、問題がある場合過去5年分、悪質な場合は最大過去7年分までさかのぼられる
  4. 給付金・補助金関係の不正は社名・氏名公表

と、往復ビンタどころではないペナルティが待っています。

万一のことがあっても、「こういう事情があり、適正にと考えています」説明できるように、数年後に調査が来ても対応できるように、根拠資料を保存、すぐに説明できるようにしておく必要があります。

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新型コロナウイルス関係給付金等受給の場合、数年後でも因果関係が説明できるように!

給付金・補助金などを受給した場合、数年経った後に、給付金事務局、給付金等の管轄官庁、その他関係各所より、「本当に新型コロナウイルスとこの売上減は関係あったのですか?」と聞かれても、因果関係を説明できるように用意しておく必要があります。

条件に合致し、振込された場合でも、「なぜ持続化給付金を受給したのか、売上減少と新型コロナウイルスの因果関係は」という点を説明できるように、できるだけ5~7年、資料を保存しておいた方が望ましいと言えます。

なぜなら、中小企業庁・弁護士法人により、調査が開始されているからです。

厚生労働省では、下記の文書を公表しています。

不正受給認定に向けた調査を行っています

持続化給付金の不正受給等に関する認識確認を行っています

この文書では、弁護士事務所に不正受給に関する調査を委託していること、確認は必ず本人が行うこと、返還についての連絡先は、持続化給付金コールセンター(0120-279-292)で、法律事務所等が給付金の返還を受け付けることはないということもあります。

 

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農業など季節性がある職業も、要件に合わない場合は明確に問題ありと中小企業庁が発表

農業・その他の職業などで、季節により収支が変動する仕事に関しても、経済産業省(中小企業庁)明確に文書でNGを出しました。

 

  • 個人の白色申告者、青色申告者(農業者)の持続化給付金の申請において、事業活動に季節性があるケース(例:冬場のスキー場、夏場の海水浴場)における繁忙期や農産物の出荷時期など、通常事業収入を得られる時期以外を対象月として、新型コロナウィルス感染症拡大の影響等により事業収入が減少したわけではないにも関わらず給付を申請することは不正行為
  • 天候不順など、新型コロナウィルスの感染拡大と関係のない売上減少も対象外
  • ただし、本来事業収入を得られる時期において、新型コロナウィルスの感染拡大によって売上が 50%以上減少している場合においては、給付対象となり得ることも記載
  • 農業者=全てNGではないことにも留意
  • 誤って受給した場合、至急返還手続をとる旨記載コールセンターへ連絡を(0120-279-292)

 

前述の調査も含め、対象にならないのに受給してしまった場合、早急な返金が要されます。もし自身がきちんと対象となることだけの理由があるのであれば、きちんと説明して対応することが要されます。

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