前々回の記事を受け、カルピス・ミルキーの横展開を、いかに他のビジネスに応用するかを考察
前々回の記事で、カルピス、ミルキーの横展開について書きました。カルピス・ミルキーはブランド・キャラクター・味の横展開です。
横展開・水平展開にも様々な要素があり、地域・ローカルビジネスやスタートアップにとっても、「横展開」は大事な要素といえます。
とはいえ、建築物を建てるときと同じで、地盤・土台がしっかりしているということが非常に大切になります。そのため、まず「中核業務・メイン業務で狭く・深く強みを追求しNo1を作る(以前の記事)→確立したものを足場にカルピス・ミルキーのように横展開を広げる」という考えがより堅実かと思います。
横展開のヒントは、クライアントの中にある
そして、単純な横展開、水平展開ではなく、「クライアントの課題を解決できる横展開であることが重要」になります。
一つの依頼が発生する中で、顧客とコミュニケーションを取ると、顧客自身の中で顕在化していない悩み・課題が出てくることがあります。
それが自身の取り扱う業種に近い、もしくは解決できる知見があれば、それがビジネスとなりえます。
例えば、Webサイトの構築業務であれば、入り口は「Webサイト構築」となりますが、クライアントがWebサイト構築を通して何をしたいかは異なり、依頼する会社のバックグラウンドも大変幅が広くなります。
例えば、地方のIT化をこれから進めようとする中小・零細業種がクライアントと仮定すると、Webサイト構築は、
「さすがにうちもWebサイト作らなくちゃ・・・」というところからスタートすることもあり得ます。
ただ、そこでWebサイトを作って、はい、おしまいでは、あまりにももったいないでしょう。
特に地方の企業は、都市部の企業から想像できないほど、IT化が進んでいないケースも少なからずあります。
Webサイト構築以外にも、業種によって様々な課題、悩みがあるでしょう。
- 社内のIT導入・システム更新・ペーパーレス化など
- MEO(Googleマップでの表示最適化)
- 各種プロセスの自動化
- キャッシュレス決済に関する新しいPOSレジの導入
- 会計・経理の自動化など、バックオフィスの効率化・改善
- 直接営業に加えインサイドセールスの強化
- 顧客との関係性・売上・接触頻度などの見える化
この他にも様々な課題があるかと思いますが、「悩み・課題を引き出し、それに対する解決策を提案する」「解決策を導入することによる利益の増加・負担の軽減などプラスの未来をクライアントにイメージしてもらう」などが課題です。
強くいえるのは、「横展開のヒントはお客様の課題の中にある」ということです。
もう一つ例を考えてみましょう。
あなたが墓石などを販売する石材店の経営者なら?
あなたが墓石などを販売する石材店を運営していたとします。
もちろん、メイン業務は墓石の販売です。
ですが、その周辺領域を考えると、
- 終活・ライフエンディング領域全般
- お墓の手入れ・見守り
- 永代供養(が可能な寺院につなぐニーズ)
- 仏壇・位牌など仏具の販売や、販売事業者の連携
- スマホ・パソコン・オンラインバンキング・ネット証券・暗号資産などデジタル遺品問題対応のアドバイス
など、お墓という商品の周囲には、様々なニーズ・課題が存在します。
特にお墓の手入れ・見守りは、墓石店にとっても、売った後も顧客と交流を続け、かつ、定期的な売上が挙げられるメリットがあります。
あわせて、近年、あらゆる事がデジタル、Web経由で行われるようになり、デジタル遺品の問題は今後大きく顕在化すると思われます。
近年のスマホ・PCは、セキュリティが強化されているため、本人に万一の事があると、各種の連絡、オンラインバンキングなどの記録を第三者で確認することが難しいケースも多く出てきます。
このように、ある事業の周りには、様々な課題や悩みなど事業の種が存在します。
自身の事業から、さらに広げる、もしくはクライアントの要望・課題から、このようなビジネスも役に立つのではないか、このような発想が持てると、ビジネスが面白くなるでしょう。