中小整備基盤機構のねづっちさんのCMに限らず、ここ数年、一度ブレイクしたお笑い芸人、いわゆる「一発屋芸人」のCMがポツポツ出てくるようになりました。
一発屋芸人といっても、その「一発」を当てることで、様々な層への認知度が高まります。
ここ数ヶ月でのメジャーな例は、資生堂のunoシリーズ。
表のテレビCMでは、竹野内豊さん、窪田正孝さん、野村周平さんなどの俳優を起用したコスメとして正統派の表現方法をとっています。
一方WebCMはこちらの通り。
また、PRTIMESのプレスリリースによると、いわゆるバズ狙い、また30代近辺の、一発屋芸人の存在を認知している人を対象に、クールポコ・波田陽区・ねづっちなどの一発屋芸人を起用、
スキンケアの重要性を、一世を風靡したネタの中で強烈なインパクトとともに面白く表現した点です。こみ上げる懐かしさと同時に、10年という年月が過ぎることの早さとスキンケアの大切さを感じられる内容に仕上がっています。CM後半部分の、ネタ披露時とは異なり、ヘアメイクとスキンケアを施しスタイリッシュな衣装に身を包み、見違えるように格好よく変身したそれぞれの芸人さんのコントラストも必見です。
としており、「ブームが去って一周回り、かえって面白い、インパクトがある」などの要素があります。
また、有名俳優と違い、ローコストで起用でき、かつ出演する側にとっても、後半のポジティブなトーンで締めることで、見る側にも「一発屋芸人のあの人は今」的なCMではなく、「意外と様になる」印象を与えることができます。
ここで、各動画の再生数を見ると興味深いのですが、テレビCMで放送されているシリーズは、2019年12月11日現在、7401再生。(最新の動画は159再生)
テレビでもよく見るから、あえて見ようという人もそこまで多くないのかもしれません。
一発屋芸人のWebCM,そのYoutube上での再生回数合計は通常CM合計の137倍
一方、Web動画専門のunoのCMは、同じ2019年10月に登録され、2ヶ月足らずで
クールポコ。→31万回
波田陽区→17万回
ねづっち→56万回
合計およそ104万回と、通常のCMとは比べものにならない再生回数です。
ちなみに、波田陽区とねづっちは、Youtuberとしても活動していますが、それぞれのチャンネルの登録者数や再生回数を考えると、資生堂unoのWebCMのインパクトがいかに大きかったか、バズったかが推測されます。
最近はTVなどのマス広告ではなく、WebCM、タクシーCMや電車内の交通広告、街頭ビジョンのCMなど、動画CMのチャネルも多様化しつつあります。
WebCMでは動画再生の邪魔になることがある、タクシーCMについては、乗客をカメラで分析することでCMを流すことにより、逆にそのCMが嫌いになるというパターンもありますが、逆に「わざわざCMを能動的に見に行く」ようなインパクト・話題性のあるCMが作れれば、かなりのプラス効果となるのではないでしょうか。