事業協同組合 各地で設立の動きが進むか

先日当サイトで紹介した、地域維持の特別措置法案を受けた、事業協同組合に関し、少しずつ動きが出てきました。

「若年層を都市から地方へ」はできるのか?-地域維持の特別措置法案

 

2019年12月11日付けの日本農業新聞では、

事業協同組合 各地で設立へ 農業、飲食店、介護業…人口急減地域に働き手 若者定住受け皿に

という形で、人口急減地域対策議員連盟会長であり、今回の法案の成立の中心となった細田博之衆院議員の談話も掲載されています。

 

まず、事業協同組合について、日本農業新聞の内容をもとに改めておさらいすると、

  • 地域の四つ以上の会社や個人事業主などが出資して発足
  • 社会保障や給与を保障して若者らを通年雇用
  • 夏場だけ忙しい農業、冬場だけ忙しいスキー場など、年間の需要の変動を、組合でうまく調整すれば年間通じた仕事が確保できる
  • 政府・与党は組合運営費の2分の1を基本的に公費から支援。特別交付税措置も含めると、国がそのうちの4分の3を財政支援をする見通しだが、最終的には2020年6月の施行までに同省が詳細を決める
  • 組合が雇用する従業員は若者を想定するが、法律には年齢制限を明記しない

 

などの特徴があり、施行に向けて、より細かい部分が詰められていくでしょう。

 

もちろん自治体によって方針は異なり、「人を呼び込むきっかけとしたい」という意見もあれば、ある県では、労働力の穴埋めでは機能しない」という慎重な意見もあり、今後の運用が注目されるとともに、細田議員の談話の要旨としては、

  • 働く環境や子育てする環境などを見ると、現代は都会が過疎地域に比べて豊かとは決して言えない。農村に住みたい若者にとっては仕事の確保が課題
  • 農村では、農業や林業、雪かき、介護、草刈りなど仕事はたくさんあり、人手不足。一方一つの専業では食べていけなかったり、一つの企業で雇用は難しかったりと課題がある
  • 新法は上記2つの課題を結びつけるものであり、雇用保険や年金など社会保障も確保して通年雇用し、多業で働いてもらえる受け皿として事業協同組合を活用して欲しい
  • 来て働く若者は地域の宝。新法は地域の中核となる人材を安定雇用するものであり、派遣ではなく人材供給と捉えて欲しい
  • 国は財政支援をする。ただ、まずはJAや地域の中小企業などみんなで将来の地域の在り方も含めて話し合ってほしい

特に最後の部分に国の率直なメッセージが込められていますが、「国は支援をする、そして地域やJA・企業などでしっかりと自主性をもって将来の地域のありかたを考えてほしい」というトーンで、「国として金銭面の支援はするが、ぜひ地域での自助努力もしっかり」という考えがうかがえる記事でした。

 

 

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