RPAとは?経営者・管理者目線で、5つのメリットと3つの要点をまとめてみた

RPAとは?経営者・管理者目線で、5つのメリットと3つの要点を解説

 

ここ数年、「RPA」という言葉をwebやメディアで見かけることが増えました。しかし、RPAってなに?と問われると、意外とわかりにくいものです。

 

そこで、当記事では、

 

  • RPAの概要
  • RPAを使うことによって、どんなメリットがあるのか

 

をわかりやすく解説します。

 

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RPAのメリットは?10分でわかるRPAの基礎と5つのメリットの3つの要点

 

ざっくり言うと・・・

  • RPAは、定型的な業務を自動的にやってくれるロボット
  • RPAは魔法の道具ではなく、導入時に環境の整備や、そもそもやらなくていい仕事などの事前整理が必要
  • 今後あらゆる定型業務は、RPA、AIにより置き換えられる

 

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RPAとはそもそもなにか

 

RPAを一言で定義すると、「これまで人間が行ってきた定型的なパソコン操作をソフトウエアのロボットにより自動化」する仕組みをさします。

総務省はRPAを、

 

業務の粒度や優先順位、コストがROI(投資収益率)に見合わないなどの観点からシステム化が見送られてきた手作業の業務プロセスを、作業の品質を落とさず、比較的低コストかつ短期間で導入できる特徴がある

 

としています。

 

以前からパソコンをお使いの方でしたら、ExcelのマクロやMacのAutomator、MS-DOSのバッチファイルなど、処理を自動化するシステムを、よりいろいろなところに応用できるようにしたものと考えていただければ、イメージがわきやすいと思います。

 

経営者の方にとって、事務作業とは悩みの種です。

 

必要な仕事ではあるけれど、利益に直結するわけではない上に、業務上かなりのリソースを割かれる。だから、なんとかして事務作業の負担を減らしたい。

 

他にも、「事務量を減らして業務コストや経営者・従業員の負担を抑えたい」「働き方改革に対応できるよう、定時に業務を終了できるように雑務を抑えたい」「単純作業にかけるコストを減らし、もっと生産性を向上したい」など、事務作業に対する経営者・管理職・実務者の課題解決における一つのツールとなるのがRPAです。

 

(RPAの定義など) 総務省 RPA(働き方改革:業務自動化による生産性向上) を参考。後述の事例についても下記サイトなどを参照

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html

 

RPAは具体的に、どういう部分へ活用できるのか?

 

それでは、「RPAはどういう作業に活用できるのか?」という点を考えてみましょう。

 

RPAが強いのは、下記のような定型業務です。

 

  • DMなどの発送業務
  • 伝票作成
  • 経費チェック
  • 帳簿入力
  • クライアントのデータ管理
  • 情報収集
  • 営業支援システムへの入力

 

以上をまとめると、単純作業だけど、経理・営業などの面で欠かせない業務の中で、入力・情報収集などを自動化してくれるわけです。

 

例えば、2020年で言えば、特別定額給付金の受給手続きは市区町村に一任されているわけですが、自治体によっては特別定額給付金の事務作業をRPAやAI OCRなどにより効率化できるサービスを活用しています。

 

日経XTECHの記事では、AI OCRで特別定額給付金の紙ベース書類を電子化したり、特別定額給付金の申請書の読み取り設定データやRPAで自動化するサンプルの提供など、今でも紙ベースの仕事が多い役所の業務を軽減できるよう、様々なサービスが提供されています。



RPAの導入による実際の改善効果は?

 

例えば、前掲の総務省の公表事例では、

 

「大手都市銀行で、20種の事務処理をRPA化することにより、年間で8,000時間を削減できた」

 

という事例があります。

 

また、大企業、自治体だけでなく、中小、ベンチャーでも、RPAを導入し、大幅な業務効率化を図った事例は枚挙にいとまがありません。

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ビジネスにRPAを導入するメリットとは?

 

ここまで、総務省の公表した導入事例をもとに、RPAのメリットをお伝えしてしてきました。それでは、RPAを導入するメリットについて、より踏み込んで説明します。

 

単純作業の大幅な削減や業務の属人化の防止

 

単純作業というのは、従事する側もモチベーションが保ちにくく、雇用者側としても、できるだけ安価なコストで済ませたい業務であります。また、意外と単純作業は属人化を招きやすい側面もあります。

 

神Excelというのをご存じの方も多いと思います。

 

Excelの非常に複雑な技術を作って作られており、確かにExcelを使いこなしてはいるが、他の人にとっては、少し操作しただけでレイアウトが崩れるなど扱いにくいため、利用が特定の人に集中し、結果、単純作業のはずが、特定の人しかできない作業になっていく・・・

 

このように、「この人がいないと業務ができない」というのは、けして望ましくない状態です。

 

専門職ならともかく、法人の一般的な事務作業で「この人がいないと仕事が回らない」

という状態ができてしまうのは、業務の円滑な遂行とコンプライアンスの面から、けして好ましい物ではありません。

 

経営者・管理職の意志決定に関する情報がより集めやすくなる

 

RPAを導入する意義は、業務の効率化だけではありません。

 

経営者・管理職にとって、一般事務を管理する労力が削減される分、経営者として一番重要な「意志決定」にリソースを割きやすくなります。

 

経営者・管理職は、毎日が選択の連続です。

 

RPAを活用すると言うことは、単純作業に関する選択を、機械に大きな部分、委任することになります。

 

ですので、経営・管理の根幹に関わる意志決定や、財務状況の分析、資金繰り、営業方針や分析など、経営・管理にとってより重要な部分に頭を使えるわけです。

 

営業に関するデータを集約しやすくなり、営業職員も、データ入力などの単純作業ではなく、アポイント、提案、クロージングなどの営業そのものにリソースを割きやすくなる

 

RPAは、営業担当者・営業事務担当者の負担を減らし、「営業活動」、つまり利益を挙げるための直接的な部門にとってもプラスになります。

 

SFA(営業管理システム)へのデータ入力や、訪問先企業のデータ収集など事前準備も、RPAを活用すると大幅に負担が軽減されます。

 

経費チェックを自動化できるため、ムダ、不正な支出や、特定の経費の不自然な増大がわかりやすくなる(社員が不正をできない仕組みを作れる)

 

経営者にとっては、社員が不正をできない仕組みを作るというのが一つの課題です。これは、性悪説などではなく、社員に間違いを起こさせないという観点です。

また、経費チェックを自動化することにより、無駄なコストの削減も図りやすくなります。



RPAを導入する課程で、「この仕事は本当に必要な物か」など、業務自体の整理を行うため、結果として不必要な業務にメスを入れることができる。

 

RPAを導入する前提として、RPAがきちんと動作し活用できるよう、業務環境を整備する必要があります。

 

お掃除ロボットを利用された経験のある方もいらっしゃるかと思いますが、散らかった部屋でお掃除ロボットを動かすと、いろいろなものにガンガン当たり、結局掃除がまともにできませんよね。

 

RPAも同じで、AIと連携することにより判断もできるようにはなりますが、元々の事務処理の仕組みが複雑化していてしまっては、RPAがいくら高性能でも、上手に稼働することができません。

 

それゆえに、RPAの導入以前に、RPAが動きやすい仕組みを、RPAコンサルタントと相談しながら整備していくというのが、大前提となるのです。

 

また、「ニアショアによる、地方でローコスト代行ができる企業への外部委託」など、RPA化を図るより、そのまま外部に委託した方がいい業務なども存在します。このように、自社でやらずに外部委託できるところは、無理にRPA化しなくても、ニアショアなどの外部委託を検討することも一つの選択肢です。



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RPAの導入に関するまとめ

 

以上のように、RPAは、ただ導入すれば何でもやってくれるという、魔法の道具ではありません。

 

RPAがきちんと動く環境を作るためには、経営者、役員(その中でも執行役員、特にCOO、CTOなど)・管理職・実務担当者が初期の導入にリソースを割き、業務を見直し、RPAコンサルタントと経営の意志決定から実務のレベルまで話し合うことが不可欠です。

 

そして、RPAのテスト導入をまず業務に影響の大きくない部分から行い、結果を踏まえ適用範囲を広げていくという、段階的な導入も重要です。

同時に、ニアショア(国内で地方拠点を持ち、低コストでアウトソースする手法)などを活用した、外部委託できる業務は外部へ、という切り分けも行い、全てをRPA化でまかなうのではなく、他の方法で効率化できないかを考えるのも重要です。

 

RPAはあくまで道具・手段です。RPAありきになってしまって、肝心なコスト削減や担当者の負担が増えては意味がありません。

 

あわせて、既存の事務担当者に対し、「RPA化は、事務担当者を不要にするためのものではなく、仕事の負担を軽減し、より重要な業務に関わってもらうためのものである」ということも伝えないといけません。

 

RPA化により、自身の担当業務がなくなると事務担当者が感じ取れば、担当者はRPA化に抵抗してしまいます。

 

ですので、RPA化を進めることにより、事務担当者にもインセンティブや、より高度な仕事、柔軟な労働環境の提供など、RPAの導入によるメリットを与えることも、事務作業のRPA化において、重要な点といえましょう。

 

以上、当記事ではRPAの基本的な部分について記述しました。

 

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RPA導入のポイントまとめ

 

最後に、RPAを導入する上で、重要なポイントをまとめます。

 

  • RPAはあくまで効率化の手段であり、RPAありきになってはいけない
  • RPA導入には、事前準備が重要
  • RPAだけでなく、ニアショアなどのアウトソースも考える
  • RPAを導入する前に、そもそもやらなくてよいことを見直す
  • RPA化には、実務担当者の前向きな理解が不可欠であり、十分な理解を得る

 

上記の点に留意し、RPAを実際に活かせるように、導入を考えて頂ければ幸いです。

 

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