中国の故事成語で、目的を達成するためには、まず周りを狙おうという意味合いで、「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」という言葉があります。
この考えは、物販・サービスなどの事業でも応用できます。
人が商品・サービスを購入するというときは、当然なにかの理由があって購入します。
ただ、多くの人は、自分の財布を開いてお金を出すとなると、躊躇することもあるもの。
子どもがいて、なにかとお金がかかる人であればなおさらのこと。
ただ、これが法人需要や人へのギフトだと、一気にひもがゆるくなります。
また、ランチ会や会食、接待などコスト以外を意識する要素や、その他見栄の要素が入ると、値段が上がります。
法人であれば、あくまで支出主体は会社ですので、(当然コンペ・相見積もりなどはあるでしょうが)値段よりも会社にとって必要かが基準になりますし、人への贈り物であれば、「これが安いか高いか」ということより、「これで相手が喜んでくれるか」が選択基準になります。
典型的な、他の人が買う商品は、「ランドセル」「学習机」「習い事」
少子化で市場自体は縮んでいることはあるでしょうが、「ランドセル」「学習机」「習い事」は父母、もしくは祖父母など、利用者以外が財布を出す典型的なアイテムです。
もちろん、子どもの好み等はあるでしょうが、「ランドセル」「学習机」「習い事」、どれも両親なり祖父母なりに、最終決定権があります。
「ランドセル」であれば、一生に一度、6年間ずっと使うものですので、親や祖父母としては、きちんとしたものがよいとか、子どもの好みを優先したいなど出てくるでしょう。
以前、「6ポケット」といい、父母以外にも父母双方の祖父母がお金を出すところもあり、高額なランドセルにもニーズがあるという話を聞きましたが、このように財布を出す人が多い商品であると、より良いものを、という方向に向かっていきやすいかと思います。
また、「習い事」であれば、親の「こうなってほしい」というニーズを惹起させるなり、子どもに習いたいと思ってもらえば、利用してもらいやすいという側面があります。
この他にも、自分では買わないけれども、もらうと嬉しい、というものは多くあります。
高額品であればあるほど、使う本人ではなく、「購買決定者」の心を惹けるか?ということも、1つの切り口として考えてみてはどうでしょうか。