Amazon日本法人は、鳥取か島根に設立される可能性もあった?

Amazonの創設者、ジェフ・ベゾス氏は、最初鳥取を本拠地に検討したという、あまりにも意外なストーリー

 

Forbes Japan Onlineの記事で、先日、「Amazon Japanができるまで」という特集記事がスタートしました。

 

ぜひこの記事は、全体を通して経営サイドの方にとっても興味深い話かと思いますので、目を通すとよいと思いますが、この記事を元にして、ユニークなエピソードをまとめたいと思います。

 

アマゾン ジャパンができるまで | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
【Forbes JAPAN独占】2000年11月1日深夜0:00。日付が変わった瞬間、世界最大のECサイトの日本ドメインが産声を上げた。 「ビットの時代」の幕開けを信じ、ネットでなし得ることの頂点を目指す『超高速ロケット』に飛び乗った創業メンバーたちの証言で紡ぐ、「アマゾン ジャパン誕生」。

 

2000年11月1日深夜0:00。日付が変わった瞬間、世界最大のECサイトの日本ドメインが産声を上げた。

 

2000年11月、Amazon Japanは日本でのEC業務をスタートしました。

 

それから19年の時が過ぎ、Amazonは、ECだけでなく、独自商品の開発、電子書籍のAmazon Kindle、スマートスピーカー・ディスプレイのEchoシリーズ、タブレット、AWS、Amazon Prime Video、Prime Musicを初めとする独自のサービスをローンチするなど、あらゆる製品・サービスを開発し、そしてあらゆる産業を飲み込む巨大組織に成長しました。

 

Amazonが関わるセクターは、Amazonが将来的に支配してしまうということで、「アマゾンエフェクト」という言葉も生まれたくらいです。

 

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アマゾン・エフェクト

 

アマゾンエフェクトの影響をアメリカで言えば、

書店 バーンズ・アンド・ノーブルズ→Amazon

(バーンズ・アンド・ノーブルズは、経営破綻はしていないが、米国ヘッジファンドに約740億円で身売りすることとなった。日本経済新聞 2019年6月8日配信の記事より)

米書店大手B&N、ヘッジファンドが買収 740億円(写真=AP)
【ニューヨーク=河内真帆】米書店大手バーンズ・アンド・ノーブルは7日、米ヘッジファンドのエリオット・マネジメントに6億8300万ドル(約740億円)で自社を売却することで合意したと発表した。バーンズ

 

おもちゃ トイザらス→Amazon

(Amazonに押され、2018年3月、米連邦破産法第11条、いわゆるチャプター11で破産申請。全店舗を閉鎖。ちなみに、日本法人は、マクドナルドを日本に普及させた藤田商店の藤田田(デン)氏が、マクドナルドとの合弁事業の形でトイザらス日本法人を設立しており、こちらは今も存続しております。なお、藤田田氏に関しては、2019年に、旧著「勝てば官軍」などが復刊されています。

 

レンタルビデオ、DVD ブロックバスター→Amazon、Netflixの動画配信

(ブロックバスター本体は2010年9月にチャプター11を発動し倒産。ブロックバスターの日本法人も、藤田商店が関与していましたが1999年にゲオに事業譲渡をしています。)

 

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企業買収・業務提携にもアグレッシブなAmazon

また、企業買収にも他のGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)企業群と同様、積極的です。

 

米国ではホールフーズという高級スーパーマーケットを傘下に収め、他にもオーディオブックのAudible、靴の通販事業者のZappos、他にもここに挙げきれないほどの企業を買収しています。

 

さらに、2019年7月25日のJBPressの記事によると、米国のリアロジー・ホールディングスと提携し、Turnkeyという住宅購入支援の分野にまで進出するそうです。

アマゾン、ついに住宅不動産市場に進出 米最大手と提携し、顧客とエージェントをマッチング | JBpress(Japan Business Press)
米アマゾン・ドットコムは米国の大手不動産会社リアロジー・ホールディングスと提携し、「ターンキー(TurnKey)」と呼ぶ住宅購入支援サービスを始めるという。

 

なお、リアロジー・ホールディングスは、日本では聞き馴染みのない会社ですが、センチュリー21やサザビーズを傘下に持つ、米国最大手の不動産会社です。

 

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島根か鳥取でいいんじゃないか?byジェフ・ベゾス

 

このように、急速なスピードで成長を続けるAmazonですが、上記のAmazon設立当初のエピソードに関する記事には、笑っていいのかいけないのか、非常に判断に迷う一節があります。

 

再雇用されて間もなく、日本でのオフィスをどこにしようかという話し合いが、ある日、ベゾスとCFOのジョイ・コービー、岡村・西野の2人の間であった。

そして、壁のホワイトボードに日本地図を描いて指さしながら会話するうち、ベゾスがこう言い始めたのだ。

「東京はこんなに地価が高いのか! 東京にオフィスを借りる必要が本当にあるのか? アマゾンは社是の一つに倹約を掲げているくらいだ。世界一のカスタマーオブセッションをうたう企業が、オフィスにこんなにコストをかけるのは馬鹿げている。シアトルもアメリカ大陸の西の真ん中の方だから、たとえば、うーん、ここ、島根か鳥取でいいんじゃないか? それに、倉庫はなるべく国土の真ん中にあった方がいいから……このあたり(長野を指差して)とかどう?」

2人は、「日本は、東京一極集中の国だ。英語を話せる人材も東京でなければ採用できない」と必死で説得したという。

オフィスはその後しばらくして、新宿の「リージャス」に決定した。

 

カリスマ性、そして恐ろしい成長を遂げたAmazonを作り上げた、ジェフ・ベゾスでさえ、このようなエピソードがあるのです。そして、様々なエピソードに事欠かないジェフ・ベゾスは、この指摘を素直に受け入れたのです。

 

ローカルに関わる者としては、「東京一極集中の国」という部分に複雑なところはありますが、ここで鳥取か島根にAmazonが設立されていたらありがたく、面白いし、歴史が変わっただろうなと思う一方、現実的には、Amazonという企業の形態・求められるものを踏まえると、これで良かったんだろうな、とも思ってしまいます。

 

「ジェフ・ベゾスのような、大変優れた経営者であっても、不知の分野に関しては、その知見がある人の意見がなければ、適切な判断を下せないケースもある」

 

このエピソードは、「知見のない分野については、知見のある人間の分野の意見を素直に採り入れることが大切」ということの大切さを教えてくれます。

 

今回、やめるように提案したのは、Amazonの立ち上げ日本人スタッフでしたが、当サイトでよく話題にしているRPAの導入、CRM活用などは、ソフトウェアの導入だけでなく、知見のある外部事業者などの運用サポートを通してこそ、より本来の力が活用できる可能性が高まるでしょう。

 

自前主義も大切ですが、専門外の分野や、自社での人的リソースが足りない部分については、「餅は餅屋」というように、専門分野は詳しい事業者に相談するという発想をおすすめします。

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