仕事柄、硬派なニュースサイト・IT系メディアからYahoo!、Livedoorニュースなど、様々なサイトを閲覧しますが、Yahoo!やLivedoorニュースは、特に「クリックしたくなる見出し」の付け方がうまく、個人的には「Web界の東スポ(賞賛です)」と思っています。
Livedoorニュースの見出しのインパクト
例えば、Livedoorニュースの見出しで気になったものを集めると、(あえて収録しなかった見出しもありますが、お察し下さい)下記の通り、要素を盛り込むほかに、ユニークさを狙った見出しも目立ちます。
- クソ物件オブザイヤー最優秀賞は
- スマホの電池長持ちへ 神設定3つ
- 割り勘許せず 35歳女性の末路
- 反省ゼロ 呆れた逮捕写真が物議
- 業スー1kgミートボール 正直感想
- こんまり逆風 商法に米記者酷評
- 大掃除で絶対やっておくべき場所
- 侵入見つかり冬の川に 10分潜伏
- 家賃4万円 洞窟付き物件が話題に
- 知らない人からの電話を消す方法
- ヤ軍 コールと投手最高額で契約
- プロ厳選 優秀コスメランキング
- 引かれる「田舎っぽコーデ」4選
- 一次会で二郎 大成功の合コン
- 書面に捺印を自動化するロボット
- 酔客にふとん貸し出す居酒屋登場
(引用設定にすると見づらくなる関係で、普通に並べました・・ちなみに、気になるクソ物件オブザイヤーとは、いろいろと物議をもたらした不動産案件を表彰(?)するイベントです。いろいろな意味でユーモラスです。)
これらのニュースの元原稿は、元タイトルは、17文字を超えるものも多いです。
その中でも、ニュースの要素を17文字までに凝縮したものから、意外性・Howto・コンプレックス・プロが選んだ○○など、良くも悪くも目を引くキャッチ、先や結末が知りたくなる見出しを含め、17文字にしたものが目立ちます。
ニュース記事本体も、自サイト記事に関しては、「ざっくりいうと」で、要点を3ポイントにまとめてあるものも多く、読み手への配慮が見られます。
Yahoo!トピックスは13文字で要約重視
ユーモアも見られる17文字のLivedoorニュースと異なり、Yahoo!トピックスは13文字という文字数で、「伝えたいことの端的な表現」に注力しています。
見出しをピックアップすると、
- いきなりステーキ 来店お願い
- 「新Mac Pro」 高級車買える
- 建設残土の闇 狙われる空き地
- ガリガリ君 ソーダ味なぜ青色
など、記事で伝えたいことを最大限に凝縮することに力が入れられ、Livedoorニュースのようなユーモラスさ、目を引く記事よりも、ストレートさに力が入っているように思われます。
ヤフトピのタイトルに対するこだわりを記した記事から、興味深い点を引用、要約します。
(こちらも表示の都合で引用形式となっていない旨、ご容赦下さい)
- 記事の内容を捻じ曲げることがないように、記事中の言葉を使う
- 事件や事故は、発生場所が国内なのか海外なのかで、ニュースの重要性やユーザーの関心度が大きく変わるため、必ず見出しでわかるようにキーワードを盛り込むルール
- 通常は肩書や敬称の省略を認められている芸能人やスポーツ選手でも、事件や訃報の記事では呼び捨てにしない
- 【WeezerのVo.なぜ紅白目指す】というトピックスは、【米人気歌手 なぜJ-POPに挑戦】と具体的なバンド名を伏せる形に変更したところ、クリック数が3倍
- 新聞とYahoo!ニュース トピックスの見出し作りで異なるポイントは「うまい表現」が求められるかどうか
- ネット上のニュースサイトでよく目にする「!(エクスクラメーションマーク)」はYahoo!ニューストピックスの見出しに使わない
など、様々な「13文字に凝縮された要素」が存在します。
リンクをクリックしたくなるタイトルの付け方とは?
前述の記事には、リンクをクリックしたくなる代表的3要素が挙げられています。
・「なぜ」「理由」「訳」といったワード
・読み手の感情を揺さぶるワード(激怒・謎の・珍事・批判殺到)
・ニュースへの反応(場内あ然・まさか・衝撃)
これを踏まえ、ただ「衝撃」などの煽りワードを使うわけではなく、
記事中に「なぜ」や「理由」の答えが明示されているか、その内容に納得感や意外性があるかを判断して使わなければなりません。
と、根拠のある、惹きつけるワードと内容のリンクを重視していることがうかがえます。
また、見出しだけで煽って・・とならないよう、
最も気をつけているのが「ユーザーに誤解されない見出しをつけること」です。もちろん、サイト運営上、PVを集めることは重要です。ただ、PVを稼ぐためにユーザーをあおってクリックさせるような見出しは、ユーザーの失望を招きます。これは、絶対にあってはならないことなのです。
という配慮もされています。
他にも興味深い部分が多く、このヤフトピの記事は全体を通して目を通してみると面白いと思います。