キットカットはプラスチックから紙パッケージの変更を、「できるかな」のノッポさんとゴン太くんをユーモラスに起用することにより、SDGsをナチュラルにアピールしている
キットカットのパッケージがプラスチックから紙に変更され、そのCMキャラクターに、一定の世代には懐かしい、NHK教育(現Eテレ)の「できるかな」でおなじみだった、ノッポさんとゴン太くんを起用して、一部で話題になっています。
興味深い部分は、パッケージをSDGs(持続可能な開発目標)に配慮し、プラスチックを紙に切り替えたことをアピールするだけでなく、親世代にもアピールできる「できるかな」のノッポさんとゴン太くんを起用し、
「紙のパッケージにしたから折り紙をしてみよう!」
という、ちょっとした遊び心の方を前面に押し出したのが興味深いです。
「SDGsに配慮し、プラスチックから紙に切り替えました」なら、ありきたりのアピールですが、
大人には懐かしい「できるかな」のBGMとともにノッポさんがキットカットのパッケージを折り紙にする姿は、「環境問題」、と身構えたアピールではなく、ナチュラルに、新しくなったパッケージを使って遊んでみようよ、と訴求しています。
もちろん、ホームページの中には、プラスチックの環境問題に配慮し、「ゴミとして捨てられた一部が豊かな海の未来を脅かしています」と、水質汚染に対する問題提起を行っていますが、あくまでこのサイト・CMの主眼は、SDGsに配慮した上での遊び心にあるといえるのではないかと感じます。
子どもたちからしたら、
「ノッポさんとゴン太くんって誰?」となるので、逆に新鮮に映り、親・祖父母世代には親しみの深い「できるかな」のキャラクターなので懐かしさと親しみが持てるという点で、絶妙な人選だと思います。
SDGsの打ち出し方としても、このように遊び心のあるアピールだと、世代を問わず幅広い層に受け入れやすくなる点があり、今回のノッポさんとゴン太くんのCMはとても興味深く感じました。
SDGsに対する認知は消費者の間でも高まっており、一般財団法人 経済広報センターの調査によると
SDGsに取り組んでいる日本企業の製品・サービスを利用したいと思うかを聞
いたところ、「そう思う」(45%)、「やや思う」(41%)を合わせると、「利用したい
と思う」は86%
また、SDGsの具体的な認知についても、
SDGs(持続可能な開発目標)について、「内容を知っている」(12%)、「内容
をある程度知っている」(26%)を合わせると、「知っている」は38%
と、年々認知度が増してきています。
https://www.kkc.or.jp/data/release/00000151-1.pdf
と、SDGs自体への理解や、SDGsへの取り組みを消費行動で評価しようという動きが強まっています。
SDGsに寄与する商品・サービス・会社のあり方のアピールも、企業にとって重要な要素となっていくでしょう。