蔦屋書店の話を受け、実店舗の意義ってなんだろうか?と考える
多くの方が実感されているかと思いますが、インターネットで大抵のものは購入でき、ものによってはインターネットの方が安いことも多くあります。
そんな中、わざわざ時間をとって実店舗に足を向けよう、そう消費者が思う空間でなければ、「Webで買えばいい」となってしまいかねません。
前記事で言及した、広島の蔦屋書店、代官山の蔦屋書店にせよ、実店舗の中を歩いていると、「これいい」「欲しい」という購買意欲をかき立てられます。
今後、物販は特別な体験を提供する実店舗と、安さ・簡便性を主としたWeb店舗にさらに別れ、Webシフトはより進んでいくと個人的には推察しています。
アメリカでは、バーニーズ・ニューヨークがチャプター11(日本における民事再生)を適用したり、日本でも百貨店の業態が低迷を続けるなど、実店舗にとっては非常に厳しい時代です。
倉庫はどこでもいいWeb店舗と異なり、家賃・人件費その他多くの、実店舗ならではの負担をしなければならないわけですから。
さらに、Netflix、Amazon Prime、Youtubeなど、自宅の中で安価にエンタテインメントを楽しめるWebサービスは成長を続けています。
そんな中で、「特別な体験」「ユニークな商品を見つけられる」「店員から適切なアドバイスを受けられる」など、なにか光るものがないと、「わざわざ時間をかけて、人の多いところに行こう」とはなりにくくなります。
子どもがいれば、なおさらです。子どもが少し成長すれば、「出かける」という行為自体に大きなエネルギーを使うようになります。
今後実店舗は、「IoT活用・規模の拡大による大量仕入れを通した大幅なコストダウン」を実現した格安系店舗か、「特別なサービスや空間がある・わざわざそこまでいこうと思わせる」、高級・ショールーム的店舗や独自性のある店舗、「店自体に特別の個性があり、キラリと光る小規模店舗」の三種に別れていくのではないかと推察します。