今回も補助金などの真面目な話を書こうと思いましたが、ちょっと外れて、最近世代を問わず人気のPUI PUIモルカーのヒットに関して。
PUIPUIモルカーは、テレビ東京系列の朝7:30からの「きんだーてれび」という幼稚園児向け5分番組で、火曜日に放送されています。
テレビ東京というと、5:45からの経済番組モーニングサテライト、そこから7:05分の小学生向けおはスタと一気に視聴者層が変わります。
その後7:30からの「きんだーてれび」は、その名の通り幼稚園児対象、その後7:35から2~3歳児むけバラエティ、しなぷちゅと、ビジネスパーソン・小学生・幼稚園児・保育園児・乳児を取りに行くというかなりターゲットを絞ったゾーンですが、どれもターゲット層に刺さる内容となっています。
きんだーてれびは、アンパンマンを世に広めたことでも知られるフレーベル館が提供し、複数のコンテンツを放送するという、キッズアニメの試験場となっています。その中で急速に人気を集めたのが、PUIPUIモルカー。
モルモットをモチーフとした5匹の車が、様々な騒動を巻き起こす、スラップスティック・コメディです。
音声はモルモットの鳴き声や効果音のみなので、日本語圏以外の子ども(大人)がみても、違和感なく楽しめます。
2021年1月に放送開始されると、子どもだけでなく大人にもヒット、Amazon Primeでも見られるようになるなど、別記事で取り上げているClubhouseと同様、急速なヒットを続けています。
実際、中身は各回2分40秒足らずというショートアニメながら、様々な起伏を圧縮した展開やかわいらしさなど、様々な要素があり、幼稚園児・保育園児など小さな子どもだけでなく、大人にも受け入れられています。
なぜ、PUI PUIモルカーはヒットしたのか>
・5分番組で、忙しい大人でも息抜きに見られる
仕事なり子育てなりをしていると、子どもが好きなアニメ・戦隊ものなどの30分でも、「結構長いな」という印象を持つ人は少なくないかと思います。
現在、Youtubeの動画が10分~15分前後のものが多いため、30分ものでも長く感じてしまいます。
そこへ、5分(実質2分40秒)で見られるPUIPUIモルカーは、世代を問わず、見るための敷居が低いです。
・言葉を通さなくてもわかる(非言語・ノンバーバル)の面白さ
このアニメには、前述の通りセリフがなく、セリフなしで展開が理解できるため、英語圏やその他の言語の地域でも、容易に内容が理解できます。既に海外でもPUIPUIモルカーに注目している人も少なくないようです。
・風刺、道徳など、スカッとなど人が好む内容、教育的内容や、かわいらしい中にもちょっとした毒を詰め込んでいる
かわいい一辺倒だけでなく、作品を見るとわかりますが、かわいい動きだけでなく、社会風刺や規則を守ろうという内容、ところどころに仕込まれた小ネタなど、大人が見てもクスリと笑えるようになっています。
・鬼滅の刃・ヱヴァンゲリヲンなど重いコンテンツが近年多かった上に、世相も世相なので、癒やし系が求められている
ゲームでは、少し前から、Fall Guys: Ultimate Knockoutという「かわいらしいキャラクターがsasuke・Wipeout・風雲たけし城のようなアトラクションに挑戦する」というゲームがヒットしています。
現在のコロナ渦で「お気軽・短時間・癒やし・疲れない」などのコンテンツを人々が求めるようになったことも考えられます。
今後もPUIPUIモルカーは更に広がると思いますが、やはり強みは「言語に依存しないコンテンツのため、世界全体がターゲットになりうる」という点かと思います。
と書いていたら、記事作成後、Twitterのモルカー公式アカウントで下記のような発言が。
#モルカー 放送前イベントより制作裏話をお届け📢
🌟#見里朝希 監督
現実世界の車がモルモットになったっていうコンセプトで制作をさせていただいてたので、あえて人間の方も言葉とかセリフを使わずに、全世界の人が見られるようなアニメーションを目指しました。https://t.co/LslC8aqXXP pic.twitter.com/AsThkE5XIG— PUI PUI モルカー【公式】 (@molcar_anime) February 4, 2021
全世界のマーケットが・・・、という打算的な考えではなく、 上記のように、世界観を突き詰めた結果、結果全世界をターゲットにしうるコンテンツができた、というのは興味深いところです。
今後、日本発のコンテンツとして、PUIPUIモルカーは注目の作品と言えます。