経済誌、Forbesを読んでいたところ、Linkedin創業者の提唱するブリッツスケーリング(blitz scaling)という手法、そしてブリッツスケーリングのあり方に関し言及された記事がありました。
このブリッツスケーリングという言葉、あまり聞き馴染みのない方が多いと思います。
このサイトで扱う、地方・(着実な)経営とは対極的な概念です。
直訳すると、blitz=電撃的な scaling=拡張 という意味で、blitz scaling(利益よりも急速に事業を拡張する)という意味合いとなります。
ブリッツスケーリングの特徴をまとめると、
- 利益度外視
- 急速な規模拡大の重視
- Linkedinの創業者、リード・ホフマン氏が提唱
- 発見的問題解決に重きを置き、意思決定方針をビジネスの場面で見つけ、学ぶ(そして解決する)
という点が挙げられるでしょう。
LinkedinのSlideshareという、スライドの共有サービスにて、よりブリッツスケーリングの具体的な説明がなされています。(英語)
https://www.slideshare.net/reidhoffman/blitzscaling-book-trailer-118631898
その中で、
- 慎重な計画
- 慎重な投資
- すべての課題解決
ではなく、
- 素早い課題設定
- 非効率な投資
- 小さなダメージを許容する(意訳)
そして崖から飛び降りながら、飛行機を組み立てるくらいのスピードと覚悟、つまり「生きるか滅びるか」、というくらい強い表現をしています。
不確かで、失敗可能性も高い、痛みも強いと示しています。
そして、
Prioritizing SPEED
over EFFICIENCY
in the face of UNCERTAINTY
つまり、”スピード最重要、過剰な効率性、不確実性との直面”、を踏まえ、変化の必然性を説いています。
また、Forbes web版でのリード・ホフマン氏のインタビューでは、
「ブリッツ・スケーリング」で大事なのは、顧客への迅速な対応と顧客ベースの成長だけ。効率については後で考えればいい
「シンプルでわかりやすい行動規範があって初めて優れた企業文化が醸成される」と言いますね。“スピード”というのはつまり、いつも会社の在りかたを変えて適応する必要があるということ。
この手法は、シリコンバレーなどでよく使われる一方、Forbes 2019年8月号巻頭の編集長の高野真氏のコラムでは、
実際のところ、日本でも米国でも、ブリッツスケール後に大幅な赤字を吸収して成長した企業はわずかだ
という、率直な実情も述べられております。
ブリッツスケールという概念が、今後どのように扱われるかは不透明ですが、ブリッツスケールという概念があるということは抑えておいてもよいでしょう。
なお、この記事の作成にあたり、Forbes 2019年8月号並びにFLATWORLD様の記事を参考にさせていただきましたことを申し添えます。