日本は長期デフレの傾向もあって、激安というのがもてはやされる傾向にあります。
テレビなどのマスコミもこぞって、激安ネタを取り上げます。
単純に、テレビを見る層が、安さを求めるそうと親和性が高い(マス・わかりやすい情報に飛びつく)からと考えています。
しかし、今回の新型コロナウイルスの影響で、今後様々な物資の供給不足・値上げや少量化、あるいは高付加価値化が進んでいくのではないかと考えています。
安売り・激安の裏側には何がある?
確かに安売り・激安は、消費者にとってありがたいことである反面、「安い」というのはどこかに無理が来ているわけです。
人件費かもしれないし、訳ありで大量に仕入れたものかもしれないし、あるいは・・・。
安くて美味しい店の理由が、自宅兼店舗の居抜き物件などで、家賃が通常に比べかからないから、など、きちんとした理由があれば、それはそれでいいかもしれません。
例えば、自分の食べている安価な外食が、「最低労働賃金ギリギリの給料で働いている人が、少ない人員と無賃残業で作ったものです」というストーリーを付与されると、一気にメシがまずくなるでしょう。
そういう背景などを全部スパッと取り払って目の前に出された食事が安くてそこそこ美味しくても、消費者と(利益が出れば)経営者にとってはいいかもしれませんが、いろんな意味で「健全か?サステナビリティがあるか?」と考えると、「うーん・・」となってしまいます。
今後、物が売れる絶対数が減るのは人口動態から明らか。高付加価値製品は対応策の一つ
方々で言われていることですが、日本の人口ピラミッドは減り、消費人口も大幅に減少します。
そうすると、
- ストーリーのあるよい物
- 高付加価値の製品
など、よい物を「高く」売る工夫が強く求められると考えています。
例えば、文具で考えてみると?
twitterのタイムラインで、3,000円近くで売れる、モレスキンのノートの話を書きました。
他社のノートが100円から数百円の中、モレスキンは、ノートの品質はともかく、「ピカソ・ヘミングウェイなどが愛用した」とストーリーを売っていきました。
また、モンブランは文具メーカーからブランドシフト、20年以上前は55,000円で売られていたマイスターシュトゥック149を、104.500円と、2倍近くまで引き上げました。
また、149は、開高健氏、松本清張氏など、様々な作家が愛用しています。
モレスキンも、モンブランも、もしかしたら「特別感」を惹起させるプロダクトなのかもしれません。
また、モンブランに関しては、クラシックラインというスタンダードのボールペンでも、税込み48,400円です。
書き味だけで行けば、よほどモンブランのリフィルのねっとりとした感覚が好きでない限り、正直、三菱鉛筆のジェットストリームが上で、しかもこちらは百円台です。
また、外国産のリフィルは湿度の高い地域を前提に作られているのか、ジェットストリーム(ほかにもサラサなど)のさらさらな書き味と違い、手に筆圧をかけることを必要とする、好みの分かれる書き味です。
書き味だけで行けば、ライバルのペリカンや、国産メーカーのパイロット、セーラー万年筆、プラチナも大変優れており、日本語を書くうえではぴったりかと思うのですが。
コスト削減・いい物を安く、この価値観を、変えていくことは大切ですし、今後再度海外へプロダクトを売り込む際には、様々なプロダクトを、Youtube・メディアなども含めて、ストーリーをつけて売るという発想が要されるのではないか、と感じます。