少なからぬ数の企業が、テレワーク(リモートワーク)を行うフェーズに入っているかと思います。
テレワークで直面するのが、「自分の課題や悩みをどう言語化すればいいかわからない」という問題。
テレワークだと、これまでのように会って直接話すというコミュニケーションができず、テレビ電話やビジネスチャットなどの、電話・文字ベースのコミュニケーションになります。
そうすると、自分に悩みや課題があったり、経営者であれば指導・方向性の修正などが、通常のface to faceのコミュニケーションに比べ難しくなります。
担当者自身も、今も悩みつつ手探りなところがあります。ただ、在宅業務を長年行っている立場から得たヒントを3つ提示します。
悩み・課題について、頭に浮かぶものをありったけ書き出す
人間というのは、ふとした瞬間に、「そういえばあの件、どうなっていたかな」ということが浮かんだり、そちらに意識を取られてしまうものです。
紙に書き出すなど、外部にアウトプットしておくことで、少なくとも「頭の中で明確な文字化されずもやもや」というところはなくなります。
また、「こういう課題があるんだけど、なにがわからないのかわからない」、こういう点でも、「わからない」ということを書き出しておけばいいのです。紙に書き出すことで、ひとまずの「問題そのものも、解決策が不明確な課題」としてペンディングできます。
時間が経つと、「そういえば具体的に、こういうところがわからないな・・・」と瞬間的に思いつくタイミングもあるので、その瞬間に、「こういうところが分からない、クライアントや部下に確認、もしくは上司に確認」など、相手に対して相談したいことを言語化できるのです。
このプロセスで非常に便利なツールは、B5サイズのいわゆるデスクダイアリーです。
テレワークの場合、基本的には自宅が仕事場になりますので、常にデスクダイアリーを傍らに置いておいても問題ありません。
- ふと気になったときに、頭の中に浮かんだことを書き込む
- 解決策が不明確な課題は、「わからない」ものとし、思考の泥沼にはまらないよう一旦保留する
ことで、わからないことに対して時間とエネルギーを空費することが減らせます。
相談事項は都度書き出し、ある程度まとめて提示
社員・クライアント・上司などは当然、様々なタスク・各方面から来る大量の報告に対処しています。
急ぎの場合は逐一進行状況を報告することも必要ですが、悩み・課題、その他疑問点で急がない物は、始業時や就業時など、1日に1回か半日に1回、簡潔にまとめて報告することが望ましいと考えます。もちろん、社内での日報や報告義務・ルールがある場合はそちらが優先です。
また、報告内容も、ダラダラと書くのではなく、箇条書きで要点を踏まえ、
- クライアントA社様 進行 ○○と○○完了
- クライアントB社様 発注の相談 課題は新規客の獲得 施策として「○○」「○○」を利用
など、相手に必要な情報を端的に伝えること、
- 「○○」の点で解決策を「A案」「B案」と考えております。当方はA案が望ましいと考えます。ご意見をお願い致します
など、返信を要する場合は、返信して欲しいことを文章の中で明示することなど、あらゆる意味での「明確化」が必要になります。
リラックスして思考の整理の時間を作る
机の前でうなってばかりでも、アイデアが出ないときがあります。とはいえ現在は在宅であることが求められる社会状況です。
この状況では(環境によって)窓を開けて空気を入れ換えする、室内を歩き回る、深呼吸するなど、リラックスしながら一旦頭を休め、考えていることを整理してみましょう。
また、日をまたぐ課題は、寝る前に課題を紙に書き、枕元に置き、起きてからアイデア・提案の仕方などあれこれを、思いつくままに書き込むという手法もあります。
いずれにしても、テレワークの導入により仕事の進め方は大きく変わりました。
一言で言うとこれまでのコミュニケーションの仕方を再構築する必要があります。
現在は特に過渡期で混乱も大きいと思いますが、ともかく現状に適応し、成果を出せるよう、思考の整理ぐせをつけておきましょう。