最近、ローカル百貨店に都市部の貴金属買取・きもののリユース・買い取り事業者がよく短期出店していることから考えてみた
最近、百貨店で、貴金属買取とか着物買い取りの事業者がよく出店しているのを見かけるな・・・。
ローカル百貨店というと、各地の物産展(ローカルに限らず、京王百貨店新宿本店の有名駅弁フェア・北海道フェアなどは非常にメジャーですね)をよくやっているイメージがありますが、その他にも最近、美術展に加え、貴金属買取・着物のリユース・買い取りなどの事業者が他地域から出店しているのを見かけることが増えました。
しかも、単発ではなく、複数回出店する事業者もいるため、「前回の出店で成果があったから、今回も出店するのかな」という推測もできます。
高齢世代の百貨店へのロイヤリティは高い
例えば、先日紹介した、岡野工業を率いた岡野雅行氏のインタビューにあったこのような一節。
”「お歳暮だってそうだろ? 三越だ高島屋だというような、老舗の百貨店の包みで来たら 『おっ、そんだけうちを大事に思ってくれてるんだな』 って思うだろうよ。だけど、そこらの安売りの店の包装紙だったらどう思うよ? ブランドってのはさ、それがあるとないのとじゃ大違いで、技術力でつかんだブランド力があるから、電池ケースだってうちに話が回ってきたんだ。”
例えば、このサイト編集者の中の居住地域でも、百貨店以外でも、業態は異なれど、ギフトのことならここ、農産物のことならここ、みたいに長年の歴史と信頼を獲得している事業者も多いです。
もし都内の中だけでだったら目立ちにくい場合でも、「百貨店の店内で、東京の目利きを持った専門家が、適正価格で買い取り・販売します」となると、
百貨店に出ているくらいなら、押し買いとか変なことはないよね・・・。
と、全くのゼロからより信頼を得やすくなります。
また、百貨店の利用層は、(郊外型の場合は高齢化・消費様式の変化がありますが)可処分所得が高い、もしくは高かった層が多いと思われますので、アクセサリー・着物などを持っており、自身や家族の環境変化に伴い、
使わないものを整理しようかな・・・。
と考えている層も少なくないと推定します。
特に近年の年配の方向け雑誌では、不要物の処分がテーマになることも多く、高齢者向けの字が大きめな、メルカリを使った不用品処分のムックなども店頭で目に付きます。
また、売る側としても、
インターネットで売る方法は手間だし、かといって近所の買取店に持ち込むのも気が引けるし、訪問買取はなんか心配だし・・・・。
など、モノを売ることに対しても心理的障壁があるので、
- 特定分野に特化
- 百貨店のブランドの力(特に年配の人には根強いケースが想定)
などで、売却に対する心理的ハードルが下がると思います。
他の業種でも、
- 高齢者、特に百貨店に馴染みのある、ある程度きちんとした顧客を対象にしたい
- 「(百貨店という)巨人の肩に乗る」かのごとく、一見の顧客から信頼感を獲得したい
- 地方の埋もれた需要を掘り起こしたい
などで、単価がペイする商材・サービスであれば、百貨店等への出店は一つの方策かもしれません。