中小企業・ベンチャー企業にとって、月次決算は経営の羅針盤。CRMと連動するソフトウェア・クラウドサービスなどで月次決算を容易にし、経営者が把握できる仕組みをつくる
中小企業・ベンチャー企業にとって、月次決算を効率化し、お金の流れをきちんと見る仕組みづくりは不可欠です。
一方、経営者は役員・社員の指導・管理やトップ営業など、日々様々な意思決定を行う必要があります。
このように行うことが多い中で、「月次決算」まで行うというのは、トップやCFO、経理部長などお金の流れに関わる責任者それぞれが意識しないといけないというのは、誰もが認識しています。
・・・しているのですが、みんな忙しい!!
これも本音だと思います。
正式な月次・四半期・年度決算は行わないといけませんが、リアルタイム決算まで考えるのは負担が大きい・・、この点も率直なところではないでしょうか。
ただ、それを営業担当者の受注入力+アルファで、リアルタイムにキャッシュフローが把握できるシステムがあれば便利だと思いませんか?
会計・経理は税理士の先生にお任せしているから・・・だけではいけない!
当然、税務申告や正式な会計の結果は、税理士法人・税理士事務所に委託して行うわけですが、その場合でもリアルタイムでデータを把握できるわけではありません。
税理士事務所としても正確な数字を作る必要があるため、税理士事務所で正確な数値を出すため、依頼してその月にすぐ結果がわかるわけではありません。
そのため、できるだけ月次決算に関する大まかなデータを、極力リアルタイムで把握できる体制づくりは重要になってきます。
とはいえ、リソースに限りがあり、少数精鋭で運営している中小・ベンチャー企業にとって、月次決算に投入できる労力には限りがあります。
月間の経理に関する流れのおさらい
会計には、一般会計に加え、債権管理、債務管理の3要素が存在します。
- 一般会計
毎日発行される様々な伝票を、仕分け処理し、月末で締めます。その後月前半に月次決算処理を行います。
- 債権管理
取引先に対し、請求に関する月間のスケジュールを検討し、当月分の売上を規定の締日で締め、請求書の発行・発送を行います。その後入金処理を行い、支払いがあったものに関しては消し込み、未入金分は引き続き管理や時に督促を行います。
- 債務管理
取引先に対し、支払いに関する月間スケジュールを検討、請求書を取引先より受領後、支払い締日で締め、振込データを生成し、銀行へ電送します。
(参考図書 ITエンジニアのための業務知識がわかる本 第5版)
この流れを見てみると、通常の会計業務では、自社の売上に関するデータや、どの営業担当者がどれだけ売上に貢献したか、今月の支払いはどれくらいかなどのデータをつかむことは、自社会計(自計化)をすすめていても、リアルタイムでお金の流れをつかむことはなかなか難しいのが現状です。
月次決算の習慣化+リアルタイムのお金を流れを明確にする仕組み・システムを備えよう
月次決算を習慣化し、お金の流れや、誰がどれだけ成果に貢献しているかを検討する上で重要なのは、
「いかに必ず行うプロセスと月次決算を連動させるか」
です。
では、どの企業でも必ず行うプロセスとは何でしょうか?
答えは、最初でも少し出しましたが、
受注、出荷・納品、請求、受領など、受発注の一連のプロセスです。
特に受注は、確実な月次決算のリアルタイム化実現への入口となります。
そのため、受発注と財務管理、さらには顧客管理(+顧客獲得担当者の管理)、債権管理などすべてがクラウド上で連動しているシステムを利用するという方法がおすすめです。
月次決算を見える化するツールで重要なポイント
システムを利用するといっても、使いやすく、直感的なシステムであることが大前提になります。
そして、入力が必要最小限であることはとても重要です。
いくら高機能なツールであっても、機能が多すぎて使いこなせないのはもったいないので、いかに使いやすさを追求し、またクラウドで社員ごとに必要な権限を与えられるなど、柔軟性があるかが大切です。
また、できるだけ受発注とCRM(顧客管理)が連動しているツールである方が、データ入力もシンプルになりますし、ツールの使い分けやツール間の連携による手間がかからず済みます。
CRMと連動した理想の月次決算システム
営業担当者が受注データをシステムに入力するだけで、
- 毎月の売上見込がリアルタイムで分かる
- 売上集計・原価集計が営業担当者の入力と連動するため、抜け、モレがなくなる
- 売上・原価・見積・請求・領収をエクセルの管理ではなく、クラウドで連動して管理できるため、経理担当者の工数削減、ヒューマンエラーの防止ができる
- 月次の収支をリアルタイムで確認し、月次決算の変動値を見える化できる
- 月初の計画と現状でどれくらい差があるかが明確にわかる
- 営業担当者が個々の実績を把握できるため、営業担当者の実績が明確に数値でわかるCRMと連動しており、営業担当者、顧客の情報や関与する上で重視すべきこと、過去の受発注履歴・支払い状況などがわかる
- CRMと連動しており、営業担当者、顧客の情報や関与する上で重視すべきこと、過去の受発注履歴・支払い状況などがわかる
- 部門別の受注・売上・経費も明確化でき、部門ごとの課題が全社で共有できる
- クラウドに対応しているため、営業現場で見積書の提示やメール送付、受注などができ、「社に持ち帰ります」という二度手間がなく、クライアントの貴重な時間を奪わない
- 案件ごとに管理され、繰り返し案件は重複なくコピーできるため、EXCELでありがちな案件のコピーミスが防げる
以上のようなメリットが得られます。
そして、経営者にとって最大のメリットは、
通常の決算書類よりわかりやすく、直感的に生のお金の流れを把握できる
ということではないでしょうか。
車を運転するとき、運転者はスピードやガソリン残、その他の注意情報に目を払います。
中小企業・ベンチャー企業が受注・売上や支出などキャッシュフローの流れをリアルタイムで示せるツールを使い、仕組みができると、経営管理システムがあたかも車のダッシュボードのように、今の経営状況をリアルタイムで経営者に示してくれます。
このような点からも、顧客管理・営業支援などのマーケティングだけでなく、見積、請求、領収などと連動し、更には毎月の受発注・利益管理まで一気通貫し実現できるクラウドシステムを活用するというのは大きな強みとなります。
月次決算は大変そう・・・
担当者の負担が増えそう・・・
と、月次決算で経理担当者の負担が増えるイメージがありますが、むしろ逆で、営業担当者の受発注・納品・請求書がそのまま決算データに反映でき、負担を減らしやすくできます。
ぜひ月次決算とリアルタイムのキャッシュフロー確認のために、クラウドマーケティングツールの導入を検討してはいかがでしょうか。
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