労働者のペインポイント・課題から、ビジネスの芽を探る
昨日は、親(特に母親)のペインポイントについて触れましたが、本日は、労働者(ビジネスパーソン・会社経営者・自営業・フリーランス)のペインポイント・課題について触れていきます。
事例として挙げられている労働者のペインポイント
経済産業省とボストン・コンサルティング・グループが事例として挙げている労働者のペインポイントは、大きく、
「通勤」「事業環境」「雇用・労働慣行」「税負担」が挙げられます。
今回は各トピックについてボリュームが大きくなる関係で、まず「通勤」をピックアップします。
通勤のペインポイント
- 通勤が不便
- 渋滞が多い
まず、通勤が不便、渋滞が多いというのは、特に都心・大都市・地方都市にお住まいの方にとって強く実感できるものかと思います。
通勤の不便さとして思い浮かぶのは、通勤時間帯の満員電車ですが、近年の傾向を見ると
- 2020年の東京オリンピックも視野に入れたテレワーク(リモートワーク)の推奨
- 各鉄道会社が、「JRの通勤向け特急、私鉄の座れる通勤列車(京王ライナー・小田急のモーニングウェイ)」など、指定料金はかかるが、確実に座れる通勤列車を提供し始める
- 職住接近を売りにしたマンションなどが増える
など、電車など公共交通機関の通勤、職住の距離の課題においては、「お金はかかるが苦痛を回避できる手段の提供」は進んできているといえましょう。
また、渋滞に関しては、
- 自動運転車
- ドローン輸送により、車での配達が減少
- 通信機能の進展によるカーテレマティクス(車とナビ・渋滞情報などの連動)、さらに今後の5Gの導入によるさらなる情報のリアルタイム化
など、今後の技術進展に期待する部分が大きいです。
また、現時点で期待できるソリューションとして、「テレワーク(リモートワーク)」の導入も挙げられるでしょう。
物理的に出社が必要とされる、製造・販売・サービス業での導入こそ難しいものの、情報通信業などもともとITと親和性が高い業界では、既にリモートワークを実現している会社はよく目につきます。
リモートワークの場合ですと、当然通勤時間はほぼ0分(か近隣のサテライトオフィスなどで数十分)など近くなりますし、リモートワークの実現を支援するツールも非常に増えてきています。
(ビジネスチャットのchatwork、Slack、Microsoft Teams、テレカンファレンスのZoom、Skype、Polycom、Facetimeなど)
また、以前の記事で触れたBCP(事業継続計画)の観点からも、リモートワークができる、切り替えられる、そして事業を継続できる体制作りというのは重要です。
もちろん、雇われる側にとっても、リモートワーク(特にフルリモートワーク)で働けるということは大きな訴求点となります。
あわせて、都市から地方、(もしくは都市・地方の複数拠点)の傾向も出てきています。
これまでも、東京に本社を持つ会社が、地方にニアショア拠点として支社や子会社を作るケースは多くありました。
例えば、株式会社キャスターのように、フルリモートの勤務環境を構築、本社を宮崎に移転、東京はサブ拠点として残すなど、地方本社-東京サテライトオフィスの二拠点化のような動きをする会社も出始めてきています。
基本は出社でも、いざというときにリモートワークにも切り替え、事業を円滑に進められることは大いにプラスになります。
また、前記事で触れた、親のペインポイントであるワーク・ライフ・バランスや育児に関わる女性・男性のキャリア継続の点でも、リモートワークの活用を通して、子育てに関わる当事者が仕事・子育て両方においてパフォーマンスを発揮、継続して業務に関われるということは、対外的観点ではCSR(企業の社会的責任)において強いアピール力を持て、社員の定着にも貢献できるでしょう。
また、時代が職住接近・リモートワークにシフトしていくと、このようなことも想定されます。
- 通勤が不要になるため、車の必要性が少なくなり、カーシェアリングなどにシフト
- 通勤の帰りに買っていた買い物が減り、中食需要が減少する可能性
- リモートワークであれば、スーツ・メイクなどの必要性が減り、ビジネスウェア・メイク用品などの需要が減る
- リモートワークは孤独感があるため、モチベーション維持・メンタル管理などのサービスにニーズが発生する可能性
- VR機器など、在宅でリアルに近いコミュニケーションを取れる機器の普及
- ランチ・飲み会の減少と宅飲みの増加
- 食材宅配のニーズ増(特に、子どもが小さく複数だと、買い物が難しく、「あれ買って」のついで買い要求がある)
- (仕事での直接の対面コミュニケーションがないので)人がつながりを求める需要
他にも、リモートワークシフトにより想定される、様々な環境の変化が想定されます。
また、東京都のアンケートによると、令和元年7月のテレワークに関する都内企業への郵送調査で、テレワークを実際に導入した企業の割合は25.1%、つまり4社に1社がテレワークを導入、導入検討の企業も含めると46.3%と、過半数まで行かないものの、かなりの事業者がテレワーク(リモートワーク)を導入使用していていることが伺えます。
このような、リモートワークへのシフトによる新しいニーズを考えるのも、一つのビジネスアイデアを考えるきっかけになるのではないでしょうか。
次の記事では、事業環境のペインポイントについて検討していきます。